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フィン・ユールとデンマークの椅子展

日記であり、メモ書きです

不快にさせたら申し訳ありません

フィン・ユールとデンマークの椅子展に行きました

フィン・ユールのデザインした椅子だけの展覧会だと思っていたのですが、展覧会の名前が示すとおり、デンマークの著名な他のデザイナーの作品も展示されていて、無知な自分が知らない椅子に見たり触れたりできてとても良かったです

これまで、デザイナーやアーティストを国籍で見ていなかったのですが、誰が誰に師事していて、その方の出身地域がその時代どんな状況だったのかというのは、当然大事なことなんですね

自分がかなり好きだなと思っているハンス・J・ウェグナーがデンマークの人だということすら、僕は知りませんでした

北欧の方の名前はあまり馴染みがなくて名前を聞いただけで、どこの出身か分からなくて恥ずかしいです

個人的に良かったのはフィン・ユールがヘンリー・ムーアやハンス・アルプに関心があったという事実です

僕は家具のデザイナーとして、フィン・ユールの柔らかな曲面のデザインが好きだなと思っているのですが、ハンス・アルプの彫刻の有機的な丸みも好きだなと思っていました

現代の彫刻家だと安田侃のような、大理石が大理石でありながらも生きているような柔らかいフォルムで存在しているのが好きで、そこに繋がりがあったことがとても嬉しかったです

また、ハンス・アルプは具体美術(アールコンクレ)の主要メンバーだったらしいのですが、自分の好きな抽象画家の白髪一雄も日本の具体美術協会に所属していて、なんだか運命的なものを感じました

アールコンクレと具体美術協会は少し趣きが違うらしいのですけど、縁があるような気がしますね


ジャン・プルーヴェ展でみた家具とデンマークのデザイナーの家具は目的は近いのに設計の思想が遠いように思いました

実際に椅子を必要とする人口がデンマークとフランスでは大きく違うからでしょうか

ジャン・プルーヴェの椅子は機能性や生産性に重きが置かれていて工学的な美しさを持っていると思ったのですが、デンマークのデザイナーの椅子はもう少し遊びがあり、美術品のような印象を受けました

僕は何もわかってないので気のせいかもしれませんけれど

同じ時代の家具デザインの違いについて議論されている論文や批評があれば読んでみたいです


自分の興味のある展覧会を巡るうちに少しずつ自分が好きなアーティストや好きな部分が見えてくるのが面白いと思います

美術品を見ているようで、僕は自分を見ているのかもしれないです

なんだかもったいないですね

(アーティストやデザイナーのお名前は敬称を省略させていただきました)

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