美しさに焦がれながら美しさを否定する人間といういきもの

つい先日死にかけていたような気もするけれど、今日はもう朝から平熱で平常運転だった。この生命力に感謝。

とはいえ、まだ病後です。
今日は最低限の仕事をしつつ、おとなしく調査のために、それはもう久しぶりにモバイルゲームをやり込んだ。
しばらく離れているとはいえ、そもそもゲームは嫌いではないし、元職でもあるから時間を忘れてプレイしていたのだけれど。
昨今流行りのタイトルって、もう恥ずかしげもなく性とフェチズムのデパートになっていてすごいなと改めて考えるに至った。

これは批判ではなくて、海外製のゲームが特に躊躇ない。
本国では厳しい規制でできないから、そのうっぷんを、尖った性表現を両手で喜んでくれる日本人に向けて存分に発揮しているように思う。し、カモにされているとも思う。

私のタイムラインには、日々この世のものとは思われない美女の画像がひっきりなしに流れてくるんだけど。
こんなものがただで見れる現代って最高だな、という反面、裾野に地獄は広がり続けている。

ルッキズム、という言葉でその地獄を是正しようとする動きはあるけれど、根本的には解決しないでしょう。

だって、人は美しいものを求めるのだから。
どんなにきれいごとを言ったって、眼の前にいるのが好みの異性であれば多少なりとも判断が鈍るのが人間の性であるし、好みでなくても明らかに見目麗しい存在に心が動かない者はほぼいない。

中には興味がない人もいる。という意見が必ず返ってくるけれど、大事なのはそこではなくて、「圧倒的多数は影響を受ける」という事実である。

これを否定できるわけがない。
なんで毎日タイムラインに美女が、肌を惜しげもなくさらけ出した姿が流れてくるのか。数字が取れるからだよ。
巨乳なのに内臓がなさそうなぐらいくびれがあって尻も太腿もむちむちの、ぎりぎり奇形じゃない造形のキャラクターが溢れてるのは金になるからだよ。

頭のどこかではわかっていながら、口には出さず享受し続ける人々がこれまたあふれるほどいるから、ルッキズムなんて叫んでも上滑りして終わるんです。

なにも、この状況を嘆いてこんなこと言っているわけでもない。
だって、そりゃ細身でおっぱいでかくて自分の好みの顔の女がいいよ、私だって。(あんまり男に興味がないので、そっちの視点の話ができなくてもうしわけない)

だけどまぁ、最近来るところまで来てる感じはたまにする。
ふと我に返る、ではないけれど、現状を浴びすぎて麻痺している感覚が、毒気が抜けたみたいにシラフになる瞬間があって、そういう日に感じるのだ。

今日がまさにそう。
病み上がりで頭がまっさらだったからなのかもしれない。

ネットで眺める人間のいい女、アニメにも漫画にもゲームにもいい女。
あげくリアルタイムに反応してくれるVtuberっていうバーチャルないい女。
いい女だらけ。でも会って触れないんだよ。
大変だよね、男の子。ちゃんと恋してるか?

ある意味、最近の世界はいい女で漂白されている。
欲望だけ吸い取られて、でもそこには身体性がなくて、何も残らない。

この先に何があるんだろう。

でも、顔面が弱い私でも活動していける道があるのは救いだったりするから複雑さ。私だって、いい女になれるんだから。

でもそれは、誰かの欲望を吸い上げて換金したいわけではないんだよな。
なりたい自分でやれなかったことを成したいだけなんだ。

……でもそれは結局言い分でしかなくて、置き場所を間違えば構造的に結果誰かを搾取することにつながっていくんだぜ。

神はどうして、偶像を作るなと言ったのか。
今、正解として流布している教えとは、別の意味があったりして。
なんて思った日だった。

今のところ、NIKKEがアニスが好きだよ。

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