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VRアニメーションのお話

 医療やトレーニングの面で実用的に使用されだしたVR技術ですが、エンターテインメントの面ではどうでしょうか?
やっぱりゲームが印象的ですが、最近は映画やアニメーション作品が目立ってきたように感じます。
 日本のVRアニメーション作品はまだ少ないですが、世界的には、エミー賞やアカデミー賞にノミネートされるようなVRアニメーションも登場しているし、世界三大映画際の一つ、ベネチア国際映画祭では、2年前にVR部門が新設されました!
ということで、今回はVRアニメーションについて書こうと思います。

そもそもVRアニメーションって?

 ここでは、VR用のHMDを被って体験するストーリーテリング作品のことを指します。
360°(もしくは180°)に広がる作品の世界は、まるで作品の中にいるかのような没入感を作り出します!
2Dのスクリーンとは違い、鑑賞者が製作者が意図していない方向を観てしまうこともあるため、視線誘導や仕掛けを作品に取り込むことが大切になるようです。

ディズニー初のVR作品「Cycles」

 ディズニーでは、ピクサーが製作したVR作品(映画「リメンバー・ミー」のVR作品「Coco VR」)はありますが、ディズニーのアニメーション部門が製作したのは初となる作品です。
2018年にバンクーバーで開催したSIGGRAPH2018で発表されました!

 ディレクターのジェフ・ギプソンの祖父母の話からインスピレーションを受けて製作された作品で、一つの家を舞台に展開されていく夫婦の物語になっています。
VRである特徴としては、全てを一つのシーンで展開しているところでしょう

 シーン推移がなく、一つの舞台(家)でストーリーが進んでいきます。
この作品は配信されておらず、イベントなどでしか体験できないそうなので、機会があればぜひ体験してみたいですね!
 ディズニーは、今回初めてVR作品を製作するにあたり、様々な試行錯誤があったようです。
技術的な手法はこちらの記事がとても分かりやすく詳しいので、気になる方はぜひチェックしてください!

VR作品で初ノミネート「Pearl」

 こちらはGoogleが製作し、アカデミー賞のアカデミー短編映画賞にノミネートされた作品で、なんとYouTubeで公開されています。
VRのHMDを持っていなくても、YouTubeの画面をドラッグすることで360°観ることが可能です!

 Pearlは、車内からの視点で物語が展開されていく、ミュージシャンの父親と娘のストーリーとなっています。
視線誘導が鍵となるVRアニメーションですが、この作品の場合「どこを見る」という正解がありません。
ゲームのイースターエッグのように、思わぬところに演出が隠されていたりもするようなので、ぜひ探してみてください!

VRの世界「VRChat」の中でVRアニメーションを撮影する?

 ソーシャルVRサービス「VRChat」では、規約に従えば自分でアバターをアップロードして使用することができます。
ワールドの作成や、トラッカーを身体中に装着して全身で動けることから、自由度が高く、創作活動をしている方にも人気となっています。
 そんなVRChatで、オリジナルアニメのVRコンテンツを製作する企画があります。
塚原重義監督の最新作「クラユカバ」という作品で、制作資金の調達のためにクラウドファンディングも行い、期間中に目標金額の150%を超える支援を集めることができました。
VRChatに製作した作品の舞台を、2Dのアニメ製作にも活用する手法も研究しているようです。

こちらのインタビュー記事では、監督がVR製作に踏み切った理由や、いくつかの動画を見ることができます。
気になる方はぜひチェックしましょう!


自分でVRアニメーションを製作できる「Quill」

 Quillは、VR空間内でアニメーションを製作することができるアプリです。
こちらはOculus Riftのみの対応となっていますが、VR空間内でアニメの世界を描き、さらにアニメーションをつけることで、QuillのみでVRアニメーションを製作することが可能です!
 Facebook社のアーティストであるGoro Fujitaさんは、Quillでたくさんの作品を製作し、自身のInstagramやYouTubeで公開しています。

 先程のVRChat内での撮影と違い、こちらはVR空間内で描いた絵を元に動かしていくので、独特の柔らかさを感じますね。


 今回はざっくりと、VRアニメーションに関する情報を書いてみました。
ちょうど先日、VR内で使用できるペン型デバイスMasslessPenの予約販売がスタートしました!

よりVRを使用した作品が生み出されていくのではないでしょうか?
今から楽しみです!

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