赤が足りない


神様も独り身だろう二千年続く恋などあるわけが無い


どの角度で頭を打てば記憶からきみのことだけ消せるんだろう


誰かといなきゃ生きれないなら初めからそういうふうにつくってくれよ


女でも男でもなく君なのに 男女って何 だんじょってなに


iPS細胞とかでうまくやれば心の移植できませんかね


大気中あなたの呼気の割合は今後上がってゆく一方だ


底の底から少しだけ登ってもまだ底の底の果てにいる蟻


席が一つ足りなかったらもう一つ増やせばそれで済むことなのに


午前五時医療ドラマを見て生きるこんな朝にも新聞は来た


予定通りの時刻に昇る太陽に対光反射を起こす一室


正座して見る宇垣美里がかわいくて親父の話は入ってこない


朝ごはん無くていいのにわかってるように置かれた五個入りあんぱん


愛しあう帰路の二人が漂わす夏の匂いをさらう風吹け


秒読みの針の無情な鋭さは傷をつけずに僕を貫く


あなたからもらった虹で書き殴るあなたのいない日々のお話


#短歌

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