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酒を飲みに行く

連日、ペットボトルの飲み物を買うときは、苦手な麦茶にしている。熱中症対策でミネラルとカフェインフリーが理由だけれど、苦手なだけあってごくごくいけないので、水分補給的にはマイナスなのではないか。上りのホームの自販機で、軒並み売り切れの麦茶のボトルを見ながらそんなことを考える。

 午前中は、娘の自宅内模試に付き合った。
 娘がガリガリやったり頭を抱えたりしている横で化粧をしていると、受験生とバカな女子大生みたいで少し気が引けたが、終わったならば心置きなく、と、昼間っから串焼き屋に飲みに出かけた。麦茶の進みは遅いのに、肉が焼ける煙の中でのビールはぐいぐいいける不思議よ。
 そこから喫茶をし、台湾料理を食べ、また喫茶。前日のおなかの不穏はどこへやらで、食べ過ぎる。終始実のない話だけをして帰路につく。夏休みな私以外、明日朝一の会議がいやだいやだ、もうなんの準備もせずに出る、開口一番今日なんだっけって言う、など言っている。自分が新人の頃の上司然とした上司たちの日曜の夜も、こんなんだったのかなぁ。初老のおじさんたちみんな、いやだいやだって日曜の、早めの夜を歩いたかなぁ。
 ビルの隙間から月がのぞく。
 満月?
 聞くと、友人が腕時計を見下ろして、そう満月、と言う。
 のぞきこむと、小さな三角窓にも、満月が出ていた。

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