見出し画像

母を偲ぶ

ショッピングモールに行った。
買い足すものがいろいろとあったからと、運動不足解消のためだ。着いてみると、入り口に、「次の使用はお声がけをさせて頂きます」とみかけない張り紙があり、要は涼む目的で寝たり長時間座っているだけだったりする客が多く見られたのだろうなという注意喚起だった。

肌着だなんだと面白みのない買い物をし、お土産にあんみつを家族分買って帰る。

今日は母の命日で、数日前までは墓参りに行こうと思っていたが、あまりの猛暑ぶりに、いやいや来なくていいって母は言うだろう、と、都合の良い解釈をして延期にした。
しかし仏壇もなく、墓参りもしないとどうも命日のおさまりが悪い気がする。罪悪感からだろうか、一日中母のことを思っていた。鏡にうつる自分も、心なしかいつもより母に似ている。ほぼ呪いだ。
ならば母を偲ぶなにか得意料理だったものを夕飯に作るか、とも思ったりしていたのだけれど、魚屋でおいしそうな鉄火丼がちょうど家族分売っていたので、母は本マグロが好きだったとかこつけて、つまみを買い込み、生ビールで献杯をした。
お宮参りの神田明神、帰りにうちに寄って行った母に、水を飲むかと聞いたらビールを求められた。母は水を飲まない。ビールを水と呼んでいた。めちゃくちゃだ。あれは6月末日だった。その時ついでやったグラスと今、同じグラスなのは、単に我が家のグラスが少ないからだ。

スキ❤️はnoteの会員じゃなくても出来るのでよければポチッとしていただけると励みになります! サポート頂けたらドリルを買います!