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【随筆】黒の長財布、Bluetoothイヤホン、いずうの鯖寿司、日本酒、スパークリングワイン、手羽先、ナスのサラダ、ケーキ

初任給が少し早く、4/20にふりこまれた。
ありがたい。

GWは家で田植えがあるので、
それを言い訳に10連休をもらってきた。
早速有給を使って。

とはいえ、
前半は研究で潰れ、中盤は田植え、
遊ぶのなんて後半くらいなものだから、
休みである感覚はあまりない。

3月末から久しぶりの帰省だし、
これからしばらく家に帰ることはなさそうだと考えると、初任給で何か父母に買ったほうがいいんじゃあないかと思いつき、タイトル通りのものを百貨店で買ってきた。

何か美味しそうなものと、実用的に使ってくれそうなもの。ブランドは一応こだわってはいるけど、決して高くはない。イヤホンなんて5000円しないくらいだし、もはやいずうの鯖寿司の方が単価的には高い気すらする。比べるものじゃあないんだけど。

自分のものでない買い物は難しい。買うときに、何度か「家族にプレゼントするんです〜」「初任給で〜」と告げて、いろいろ悩んだ。その度に店員さんはこちらを褒めてくれ、私は毎回、「まぁ、苦労かけまくってるんで……」と苦笑を返した。

まぁ、どう考えてもこの言葉は事実であり、30に近づいても未だ定職についてないような、奨学金の借金が8桁あるような、それでいてメンタルも弱く部屋も汚い人間が子供だったら……

いやぁ、さぞ怖いだろうなぁ。

なので、プレゼントに3万くらい突っ込もうが、それだけでは0.01%の恩返しにすらならないだろうことは何となくわかっていて、そんなことよりもきっと健康に生きて普通に仕事して普通に幸せそうなのが一番なんだろうなぁとは思っている。

ただ、それなのにどうしたことか、帰省先に向かう電車で急にこうしてnoteを書き殴るくらいには自分の心が揺れていて、何だか面白い。

ここが人生の中で一つのハイライトになるんだろうな、なんてすら考えてしまう。

通過儀礼、イニシエーション。

年齢が人を大人にするのではなく、ライフステージや通過儀礼が人に大人の振る舞いを身につけさせていくものだと私は感じているのだけど、今回のこういう小さな恩返しも、ある意味自分を大人にさせていて、感謝の気持ちを自分に気づかせるためのものなんじゃないかなぁ、なんて思う。

今まで育ててくれてありがとうと、ようやく1mmくらいは言えるようになったんだなぁと思うアラサー。なんとも不思議な気分だし、遅いかもしれないし、なあ。

家族と完全にハートフルに仲がいいとは私は言えないし、言いたいことだっていっぱいあるんだけど、まぁ、今日くらいはそうやって、良き子供としてあっても許されるんでしょう。きっと。

てなわけで、最寄駅に着いたので筆を置きます。今月中には論文を1本、ようやく査読にかけられそうです。千里の道も一歩から、まぁ、何とかやっていきます〜。

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