多分親子の会話になっていない会話。

先日とある駅前、わたしの前を歩いていた女性A(40代)が、
遠くにいる女性B(80代)に声をかけた。

A「帰ってきたの?」
そう言いBに近づく。

B「・・・。」
声をかけられていることに全く気付かないB。

A「帰ってきたの?」
先ほどよりも声を荒げるA。

B「・・・。」
聞こえてはいなそうだがAをジッと見つめている。

A「帰ってきたの!??」
怒りが声からにじみ出ちゃっている。
すごい大声。
そんなに怒ることなのか。
無視されているわけじゃあない。
Bには聞こえていない可能性が高い。
聞こえないかもしれない距離から
聞こえないかもしれない音量で
話しかけた1発目の声掛けが悪いだろ。
2発目の声掛けも(ほら聞こえてねーよ)って
怒りを溜めるためにわざわざ言ったように感じる。
ちょっとずつ近づいているから3発目にはBにかなり近い。
声が届きそうな距離だ。
そこで初めて1発目の声掛けをすればいいのに。
Bからしたら急に怒り狂って声掛けられたみたいになっちゃう。
大人になりなさいAよ。
歳を取るとさ、耳が遠くなるんだよ。
そのくらい理解しているんだろ?
それでもイライラしてしまう気持ちはわかる。
だがここは公共の場、駅前だぞ。
通行人もたくさんいる。
声を荒げるほどなのか。
そんなに周りに伝えたいのか。
周りはB側に付くぞきっと。
何があったかは知らん。
急にBが家を飛び出して、
探し出してやっと見つけたところなのかもしれん。
周りにはわからない。
AとBだけの世界がそこにはある。
だが声を荒げられると、
周りの人たちの耳に入り、
周りの人たちの世界とつながるんだ。
その世界でAは狂った女性として登場してしまうんだぞ。
帰ってきたこと(見つけられたこと?)を素直に喜ぼうじゃないか。
楽しくいこうぜ。なぁ。

・・・わたしはこう思ったのだが、
それもBの返答によって覆った。

「帰ってきたの!??」というAの声を
しっかり聞こえたであろうBは、Aに手を振り答えた。

B「あんた背大きいねぇ。」

以上。

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