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1-2,ヤキソバにレンゲ/Identity

ヤキソバにレンゲ/Identity

君がヤキソバなら僕はレンゲ、
使わないで隣に置くだけです。

誰かの隣と隣合わせ、傍に立たせ、まるで長電話のような終わり方で、
残響と残響の最小公倍数の隣に立っては紹介するの。
ヤキソバにレンゲ、傍に居てって泣きそうだねって、僕がレンゲ。
君がヤキソバなら僕は必要ない、そんな事わかってるからいつも無いって
一瞬気付いて欲しいってだけさ、紅ショウガが無いのを惜しんで食べた。
言葉は建前、本音は果てない、透明すぎるからスープが見えない。
7回目のコーリング、目も赤いねと承認されたいのに薄暗い通りのモーニング。
普段の無感動、無感情にグサっと刺さったエモーション、笑ったら寝ようよ。

君がヤキソバなら僕はレンゲ、
使わないで隣に置くだけです。

マヨネーズみたいな友達が言うんだ。「迷わず行け」って惑わす意見。
僕らはこうやって判断、必要か必要じゃないか。
会話を伸ばす質問がないが、来週は顔合わせたくないな。
きっと後から恥かくコメント、雨ばっかりの八月の現状。
どうせマヨネーズの方がお似合いだ。
僕はレンゲ、諦めを投げ掛けて寂しくないって事が寂しくなる。
悔しくなるシグナルが点灯する。ジェラシーが僕の事を信用する。
あいつなら部屋の鍵を開けてくれるに決まってる。
ドアノブを捻る前に頭を捻らないといけないがあいつは僕の事を必要としてる。
夏の終わりをいつも落としてる。

君がヤキソバなら僕はレンゲ、
使わないで隣に置くだけです。

謙遜の中でエンドレスサマー、渇いてるのに干されたまま、
洗濯物の連絡先を探してる間に雨がまた降り出すんだ背後に。
僕は相変わらずレンゲだが、ヤキソバの役に立ちたいと勝手だが思ってる。
透明すぎて見えないスープを遠目で見てる君に届けたいと思う情景。
行列を見るために行列ができる。頭の中がカユくなってくる。
たまに積極的になってみれば自分から送ったメールの数だけ後悔したり、
くだらない理由で早退したり、ヤキソバにマヨネーズを紹介したり、
でも、君がヤキソバで僕がレンゲだとしても必要とされたいと毎回のように思うんだよ。

君がヤキソバなら僕はレンゲ、
使わないで隣に置くだけです。


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