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いま、頑張ってる子どもを抱きしめたい

娘と公園にいたときのことです。
私たちの目の前を4、5歳の男の子が、ちょっと近めの距離感で通ったのですが、一緒にいた女性(きっとお母さん)が
「人の前を通るときはもっと離れて通りなさい!」と言っていて、
どきっとしてしまいました。
この記事を読んだばかりだったので…。

これは病気の子どもたちに教育をする院内学級などをやっている先生のお話です。先生は、病気の子どもたちの大変さとして
1. 学習空白ができること、2. 体験が乏しくなること、3. 人とのかかわりが希薄になること、これらにより「自尊感情」が下がっていくこと を挙げています。そしてこれが、現在の状況下の子どもたちにも言えるのではないかと。

今、目の前の子どもは健康そのものだけれど、心のなかには「大変さ」を溜め込んでいるかもしれない。大人もストレスフルな状況の中だからこそ、子どもとの接し方において何が大事かを知ることで、お互い楽になるかもしれない。

記事の内容を少しピックアップすると

「子どもにできるだけ触れてあげてほしいと思います。… 眼差しで触れる、優しい雰囲気で触れることも『触れる』ということになります。一緒においしいものを食べてニコッと笑う。… 味覚や嗅覚も通して、子どもに触れる必要があります」
「また、子どもは、しんどいときに、自らの年齢よりも少し幼くふるまうなどして、エネルギーを貯めようとします。… 甘えたいというサインです。それを見逃さずに、できるだけキャッチしてほしい。」
「『洗濯ものをたたむのを手伝ってくれる?』『一緒にお料理をしてみる?』など、家族の一員として頼りにして、声をかけてあげてほしい。役に立っていると思えることがあると、子どもたちは自信を持つことができます。」
「低学年や勉強が苦手な子は、勉強をするときに一緒に見てあげることが必要です。… お母さんは横で本を読んでいる、… お父さんはパソコンで仕事をするなど、同じ空間でそれぞれが違うことをしていてもいいと思います。そして、『わからないことがあったらいつでも聞いてね』と声をかけてあげてほしいのです。」
「子どもたちに必要なことは、できたという感覚を持つことです。… 『これ間違っているよ』『これまだやっていないじゃない』などのネガティブな言葉ではなく、『これできたね』『これあってるよ』『これ、よくわかったね』と、プラスの言葉をたくさん言ってあげてほしい。」

小学生の頃、3ヶ月ほど入院して、その間に院内学級に通ったことを思い出しました。
様々な理由で入院、通学している同級生がいて、私がこれまでの学校で経験してきたこと…みんな同じ時間に登下校すること、体育の授業があること、同じ給食を食べること、そもそも、教室で学ぶこと…そのいずれもが「当たり前」じゃないんだと知りました。

でもみんな「当たり前にあるはずのものが無い」って捉えるんじゃなくて、「こんなにいろんなことができる!」とすごく前向きで。
その雰囲気が、入退院で子どもの入れ替わりも多いなかで守られていたのは、担任の先生、主治医の先生、看護師さんたちが本当に、子どもを大事にしてくれていたからだなぁと思いました。病気も入院も辛かったけど、私はあのクラスで学ぶことができて本当によかった。

私もそんな大人、親でいたい。
そして、この不安な日々がいつか、子どもたちがそのように振り返ることができる時間になればいいなぁ。
そんなふうに思いました。

ayumi

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