15歳の冬のはなし。

冬になると思い出す人がいる。

中学3年、受験生だった頃。

秋とかに、珍しすぎる転校生。男の子。

最初はなんだっけ

どんな話したっけ

なんで仲良くなったっけ

そういうのは覚えていない

でもいつの間にか学校以外で会ったり、メールしたり。

『仲がいい』って感覚は特になかったんだけど、

仲良くしてもらってた。

程なくして彼は私に告白してきて

私は気にもとめなかった

きっとその時は、彼女がほしくて、ある程度仲良くなった人みんなにそんなことを言ってるんだろうなと

当時自分が告白なんてことされるわけがないと思っていた私は、軽く受け流してしまった。

フワッと流れたもので、その後気まずくなることもなく

ずっと変わらず話しかけてくれたり、遊びに来てくれたり。

一時私が怪我で松葉杖での登校したときも

真っ先に声をかけてくれて、困ったことがあったら何でも言ってね。と。

思春期だった私は、変な噂が立つのも嫌で、ほんとにフワッとした距離感のまま、冬になり、受験本番な感じで。

受験の話もしつつ、ほんとに何も変わらず。

息抜きに今度、カラオケでも行こうね。って

約束した日に私体調崩して学校休んだ。

また今度なって言ってくれて、そうだねって

そんな普通の。いつもと変わらないメール。

毎日着てた。用がなくても毎日。

それが来なくなった。

あれ？とは思ったけど、時期も時期で。
模試？かなんか行くって話で終わってたし、メールする余裕なんてないだろうって。それが確か土曜日とか日曜日とか。

休み明け学校行ったらその子いなくて

なんだ。体調崩したんかって思って。

あー、だからメールも…って思って

そしたら全校朝会で、その子亡くなったって言われた。

理解できない

心臓の音が聞こえる

人生初のお葬式。

それは、ほんの数ヶ月しか一緒に居れなかった友達の。

行きたくなかった。

本当に死んじゃったと思いたくなくて

でも時間が経つにつれて最後に会いたくなった

会いに行った。中学の制服で。

あの時の情景も、匂いも、全部

忘れないよと誓った。

顔見て、心の中で、ありがとうと言った。

あの時の倍歳をとったけど、未だに鮮明に覚えてる。

あの時の気持ちも
後悔もそのまま

忘れてないよと伝えたい

恥じないように生きたかったけど

人生失敗ばかりで恥ずかしい生き方しかできてないけど

何とかやってます。

君が覚えていてくれていたら嬉しいです。

私は覚えています。

怪我をしたとき、私が欲しがっていたペンケースをくれた。

優しい言葉のメールもあって

どうしてそんなに優しくしてくれるの？って聞いた

転校してきたとき、優しくしてくれたから

って。

ぜんぜん、そんなことなかったのに。

むしろ冷たくしちゃうことだってあったし、後悔してるし。

彼のお葬式の後、塾に行った帰り道

その日は晴天で月も星もよく見えた。

チャリ漕ぎながらなんとなく空を見てた。

危ないからダメなんだけど。笑

どうにかして死んだ人と話せないかなって考えてた

そしたら頬に一粒だけ、雨粒。

それがなんか愛おしくて。

整骨院の先生にその話をしたら、

涙雨って教えてくれた。

愛しさの理由がわかった。

大袈裟かもしれないけど

たくさんの愛情をいただきました。

愛情って言葉が合ってるかわからないし、伝わりづらいと思うんだけど

友情ってより、紛れもなく愛情で、それはそれは温かくて。

だから、忘れてません。

出会えて良かったと思います。

クリスマスどうしようって悩んでた。

でも、クリスマス前に死んじゃった。

いいんだか悪いんだか。笑

でも絶対

ケーキくらい食べたかったはずだよ。

太るから嫌なんて言ってたけど、甘いの好きそうだったし。笑

お別れして暫くは、顔も声も思い出すのが辛くて

思い出さないようにしてたら、思い出すことを拒むようになってて

ほんとに暫く、思い出せなくなってた

あっという間に卒業を迎えて

卒業式に居なかった友達は

卒業アルバムには居て。

そのページを見れるようになったのは、数年後のことでした。

忘れてませんでした。

思い出さないように封印してただけで

今でもすぐに15歳の友達を思い出せます。

まとまりがないですが

今さっきふと思い出したので書いた次第です笑

そして。思い出したことによって奮い立たされています。

私はそんないい人間じゃなかった。

今も全然、いい人間じゃない。

だけど、15歳の友達がくれた愛情を知ってる。

いい人間に、なりたいです。

いい人間になる

人生目標になりました。

ありがとう友。

これからも忘れないから安心したまえ。

てか逆に忘れられてる気するんだけど大丈夫そ？笑