シャニマスを始めてから1ヶ月たったので印象的だったコミュをまとめてみる
「アイドルマスター シャイニーカラーズ(略してシャニマス)」とは、283プロダクションを舞台としたアイドル育成&ライブ対戦ゲームである。
私は4月半ばにシャニマスを始めたので本記事執筆時点で約1ヶ月ほど経過したことになる。非常に凝ったシナリオで他のアイマス作品とも一線を画す作品だが、これは初心者の私が印象に残ったコミュを備忘録としてまとめるための記事であります。
※以下ネタバレ注意
■人が一生のうちに笑う時間について言及する三峰結華
最初に紹介するのは、「【夜夜中ワンダーラスト】田中摩美々」のコミュより人は一生で22時間30分しか笑わないという知識を披露する三峰結華さんである。知らなかったので普通にへえ〜となった。人生笑えるなら笑った方が良い。
■かまぼこのお会計を断る樋口円香
次はイベント「明るい部屋」より、スーパーでケーキの売り子をする樋口円香さんである。
小糸さんを除くノクチルメンバーはスーパーでケーキ販売のバイト(結果的にはアイドル営業?)をしていたのだが、その中でかまぼこを一緒にお会計しようとした客に対するシュールなセリフ。確実にシャニマスのシナリオライターが狙ったと思われる発言だが、それでも円香さんの口から「かまぼこ」というワードが聞けただけで満足である。
■シャニマス作中内における印象的なオタクたち
シャニマスはやけにリアルなオタクたちが登場することでも有名である。本作品をプレイする前から恐山氏の記事を読んで知っていたレベル(めちゃくちゃ面白いのでオススメです)。今回は私がゲーム内で実際に確認できた二人のオタクを紹介する。
一人目は杜野凛世さんのW.I.N.G.編に登場するオタク。
握手会にてプロデューサーの行方が分からなくなり不安に駆られる凛世さん。そんな彼女を見たオタクが発言したこのセリフである。アニメ描画ならありえそうなキャラ付けの気もするが、善意とはいえ実際に目の前でこの発言をされたら正直引いてしまうと思う。しかし、心の清らかな凛世さんはこの握手会を機にファンとの繋がりを意識するようになったのであった。
二人目は「【潮騒のシーショア】小宮果穂」に登場するファミレス店員のオタク。放課後クライマックスガールズの大ファンだったらしく、たまたまプロデューサーと共に昼食に来た果穂さんに出会えて感極まっている様子。応援している旨を述べた後、店員さんもお仕事頑張ってくださいと言われうまく喋れなくなっている。
「それじゃあ……あっ」の部分にまだ話したいことは沢山あるけど、きっと長話されても迷惑であろうし、だがこんな貴重な機会も滅多にないし、でも自分なんかに時間取らせるわけにもいかないし……といった様々な葛藤を抱えつつフェードアウトしていく店員の様子が目に浮かぶようである。シャニマス、こんな感じで実際にあるけど言語化されにくい事象をシナリオに詰めまくっているがスゴい。
■エモーいを連発する田中摩美々
次は「【真・TRAVELER】田中摩美々」よりプロデューサーの写真を撮りながら「エモーい」を連発する田中摩美々さん。このコミュ、空気感がめちゃくちゃ良いのです。エモい。
■SNSばかり見てても仕方ないと反省するシャニマスP
次はイベント「ストーリー・ストーリー」よりシャニマスPの独り言。
TV番組にて意図されない演出をされたアンティーカの面々に対し、SNSでも見て良い気分とは言えない書き込みがたくさんされていた時のプロデューサーによる発言。現代社会の闇とも言える。心当たりある人はTwitterのプロフィールにこの画像を固定しておくと良いのではないだろうか。
■アイドルとしての生き方に一つの正解を見出した黛冬優子
次は黛冬優子さんのG.R.A.D.編より、表向きの取り繕った自分と誰にも見せない真実の自分を使い分けている黛冬優子さんの発言。
万人に受け入れられるように良い意味でも悪い意味でも模範的なアイドル的振る舞いをする冬優子さんは、本来の性格でもある毒のある姿をひた隠しにして生きている。「悪い部分も全部見てくれ!」と歌や書籍などで自分を正直に表現するアーティストはたくさん存在するし、むしろここ近年はその方が誠実で良いとまで言われている世の中でもあると思う。
しかし、彼女にとって世間一般に向けて取り繕ったアイドルの姿も本物の自分なのだ。ファン受けが良いから我慢しているという次元ではない。世の中100%の正解など無いし人によって正義は違うのである。冬優子さんの生き方には学ぶべきところが沢山あると感じた私であった。
■公園でダンスの練習をしようとする福丸小糸
次はイベント「天塵」より福丸小糸さんの発言。自分も所属するノクチルの他メンバー(基礎レベルが高い)に迷惑をかけないようにと夜に一人でダンスの自主練をしようとする小糸さん。公園に行ってみたものの人が多くて練習できないと夜の街を彷徨うのであった。
これは多くの人が気に留めないようなシーンかもしれないのだが、私はストリートダンサー出身なので彼女の気持ちが痛いほど分かる。ダンススタジオで練習すればいいじゃんと普通は思うかもしれないが、「スタジオの空きがない」「借りるお金がない」「そもそもスタジオが無いぐらい田舎」などスタジオで練習したくても練習できないダンサーはたくさんいるのだ。私も昔は酔っ払いやヤンキー、ヤクザ、ホームレスに囲まれながらストリートでよく練習していたが、できることならスタジオで練習したいと常々思っていた(ストリートカルチャーとしての文化的な側面もあるのでストリートが全部ダメというわけではない)(すべての場合に当てはまるわけではないが許可を取った上でストリートで練習している人たちもいます)。
まあ、小糸さんは根っからのストリートダンサーというわけではないのだが彼女の思考はがんばるダンサーそのものである。広い公園ならそこまで気にしなくても良い気はするが、「人が多いと恥ずかしい」「音を出すので迷惑がかかる」といった理由で人が少ない場所をダンサーは好む傾向にある(もちろん利便性を優先する場合もあるが)。小糸さんの場合は性格も踏まえると前者の気がするがそんな感情の中発言したと思われるこのシーンをここでは紹介させてもらった。練習を諦めて帰っても良かったのだが彼女は距離のある河原に一人向かったのである。ダンス経験者でないとこの描写をシナリオに取り入れるのは思いつかないのではないだろうか。
■自分のやりたいことに対して直向きに進む芹沢あさひ
次はストレイライトより中学生アイドルの芹沢あさひさんを描画した場面をいくつか紹介。
好奇心旺盛で自由気ままなあさひさんは常に面白いことを探しながら生きている。気になるものを見つけたらそれに全精神を集中するので周りの声が耳に入らないこともしばしば(一応書いておくと、きちんと説得すれば受け入れてくれる物分かりの良い一面も持ち合わせている)。やりたいことをやりたい人たちにとっては正直行きづらい現代社会だと思うし、彼女もその性格のせいで孤立しがちな人生を送ってきた。それでも自分のスタイルを曲げない彼女の生き様を見ていると元気をもらえるような気がする。
そんな彼女のやりたいことを受け入れてくれる283プロの面々も温かいし、私も心をじんわりさせながらあさひさんのプロデュースを進めるのであった。
■いつも考えさせられる発言をする市川雛菜
次はノクチルよりマイペースに自分の「しあわせ」を追求する市川雛菜さんのセリフを紹介する。
一見するとのほほんほんわり系のアイドルで雰囲気だけで言えばそうなのだが、基本的に自分は曲げないし周りの空気よりも自分のやりたいことを優先するのでトゲがあるようにも感じられる。生配信で不都合なコメントはあえて拾わなかったり、他メンバーが自主練する中すぐに帰宅したりと自分のやりたいことだけを選択する彼女にプロデューサーも注意とまではいかないが「それってどうなの?」レベルの問いかけをするのだが、そんな彼に対する返答が上に貼ったスクショのような内容である。これら以外にも彼女は考えさせられる発言をたくさんするのだ。
私はHIPHOP音楽が好きなのだが「やりたいことやろうぜ」的な内容がラップされていることも多い。ちなみに芹沢あさひさんのスタンスもこれに近いように思えるが、HIPHOPは抑圧された環境から成る反骨精神がベースとなっている場合が多く、彼女の場合はただやりたいことをやるという本能に基づく側面が大きいのでほぼ同じではあるがちょっと違ったりもする。そんな中、雛菜さんの言う「言いたいことを言わなくてよくてやりたいことをやらなくていいのも、大事でしょ?」「……辛くて大変じゃないと、頑張ったことにはならないの〜?」は私の心に深く突き刺さった。
実際、やりたいことをやるためにはやりたくないことも沢山やらないといけない場面が多い(そしてこういう時はだいたい金が絡むのだ)。それが美学ぐらいに捉えられがちな気もするし実際にそういう人間もまあまあいた。むしろ私もそっちよりの人間だったかもしれない。そんな時に読んだ彼女の発言に私の頭の中はぐちゃぐちゃにかき混ぜられたのだった。彼女のスタンスが正解なのかも今の私には分からないが、冬優子さんのパートでも述べたようにこの世に1つの正解なんてないのである。シャニマスは人生。
■静止する雨の中に佇む芹沢あさひと和泉愛依
ダラダラと書き連ねてきたがこれが最後、「【あめ、ゆき、はれ】芹沢あさひ」よりコンビニでお菓子を買った後に雨が降って来たときの芹沢あさひさんと和泉愛依さんの描画。
最後に持って来た割に今回印象に残ったのはキャラやシナリオに寄るものとはちょっと違う。ゲーム内のアイドルたちは2Dアニメーションによりヌルヌル動くのだが、背景の雨は静止画のままで止まっているのだ。というか雨は彼女たちの前方にて描画されている。しかも雨の描画が入った瞬間、これまで流れていた軽快なBGMは止まり雨音のSEだけが響いている。雨が止っているのはゲームの仕様的or技術的な問題だと思われるがこのおかげで非常に不思議な空間を感じ取ることができるのだ。
映画で言えば「フローズン・タイム」の時が止まるシーンや「コンスタンティン」でサタンが登場するシーンを私は思い出していた。雰囲気だけで言えばアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のサムデイインザレインも少し似ている。
彼女たちが所属する普段はストイックなストレイライトのほんわり温かい関係性が意図せぬ形で描画されたようにも思えて、私は「素敵やん」と思った。
さいごに
以上、シャニマスを始めてから1ヶ月たった私が紹介する印象的だったコミュでした。誰もが一度は感じても言語化までされてこなかった感情を描画するのが本当に上手いシャニマス、おすすめです。始めるきっかけとなったポプマスもおすすめ。
こちらはシャニマス聖地巡礼記事(聖蹟桜ヶ丘)。
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