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ラム酒

21:30頃仕事が終わり中央線に乗ると、満員電車ではないもののそれなりに人はたくさんいた。ぼくを含めて殆どの人が仕事帰りだ。ここだけ切り取ると、なんらいつもと変わらない光景だった。
仕事帰りの電車の中で考えることはと言えば、今日の晩御飯はどうするか問題を考える。中野駅で中央線に乗り、阿佐ヶ谷駅までの二駅、5分もない時間。前までは選択肢がたくさんあった。スーパーで適当な食材を買い適当なものを作って済ませるか、お弁当やファストフードに頼るか、もうすべてが面倒臭いので飲みに行くか、ファストフードならマクドナルドかはたまたバーガーキングか、飲みに行くならスターロードのどのお店がいいか、あの店はいつも混んでるけど久しく行っていないし今日は行ってみるか、そういえばあの人があのお店がいいって言ってたな、入ったことないけど今日は行ってみるか、いや、やっぱりスーパーでテキトーに済ませて帰ろう、などといった自問自答をひたすら繰り返す。阿佐ヶ谷駅に着いて改札を出ても、まだ結論が出ていないこともままあって、そのときは改札を出たNEW DAYSの前で、誰かと待ち合わせをしている風を装って、晩御飯はどうするか問題の延長戦を繰り広げることも少なくはなかった。
しかしいまは、飲みに行く、という選択肢はない。スーパーに寄るか、ファストフードで済ませるか、の二択だ。厳密に言えば、阿佐ヶ谷で21:00以降のスーパーは西友の一択しかないし、ファストフードはマクドナルドかバーガーキング、松屋くらいしかあいていない。
今日はスーパーに寄って、鶏のささみを買い、一度茹でたあと、一口サイズに切って、オリーブオイルで軽く炒めて、塩、粗挽き胡椒、ガラムマサラ(またはカレー粉)、バジルで味付けしたあと、バターを少し入れて、溶き卵で包んだ、特に名称はないけど、晩御飯どうするか問題の際に頻繁にレパートリーに挙がる、困ったときに作るぼくだけの定番メニューだ。キャベツを千切りに刻んだうえに、この名もなき一品を乗せて、マヨネーズを少しかけて完成。鶏のささみは、もも肉でもムネ肉でも、まあなんでもいい。もう一品作りたいところではあったけど、気力がなかった。ハイボールをグビグビとやりながら作り、名もなき鶏肉料理を食べ、いまは梅酒を飲んでいる。鳳凰美田の梅酒で、これが美味しい。阿佐ヶ谷の旧中杉通りの酒屋さんで買ったものだ。
鳳凰美田のシリーズだと、あらごしシリーズが好きでちょくちょく買っている。あらごし蜜柑、あらごし桃とか、そのままロックで飲んでも美味しいし、ソーダで割って飲んでも美味しい。

ぼくの部屋にいつもストックしているお酒の中でお気に入りなのが、キャプテンモルガンだ。酒屋さん、スーパー、どこでも買えるラム酒。飲み屋さんにキャプテンモルガンがあると、必ずといっていいほど頼んでしまう。
はじめて飲んだのは大学生の頃だった。どんなシチュエーションかまでは忘れてしまったけど、一口含んだときの感動たるや、いままで味わったことのない感動だった、それだけは覚えている。口に含んだときの甘いバニラのような香り、最高だ。
キャプテンモルガンの飲み方は、ソーダ割がいちばん好きかな、部屋で飲むときは専らソーダ割で、バーとかだと、ロックで飲むことが多い。
手軽にどこでも買えるキャプテンモルガンには、ワンランク上のプライベートストックという種類もあって、これは置いているバーも少ないし、スーパーにはまず置いていない。酒屋さんに置いてあることもほぼほぼない。
知らない街を歩くときに、酒屋さんがあったら立ち寄って、キャプテンモルガンのプライベートストックを探すことがぼくのなかのお決まりになっている。昨年の夏から秋にかけての季節に高田馬場、早稲田の辺りを散歩していた。早稲田大学近くの入ったことのない酒屋さんにいつものように立ち寄ったときに、プライベートストックを見つけた。プライベートストック目線でその土地の酒屋さんを歩いていて初のプライベートストックだった。そのあと、プライベートストックが置いてある酒屋さんを発見したのは十条の辺りの酒屋さんだった。
ぼくが住む阿佐ヶ谷の酒屋さん、スーパーには置いていない。あなたの街にキャプテンモルガンのプライベートストックが置いてあったら是非手に取ってもらいたい。そしてこっそり教えて欲しい。

ネットで注文すれば簡単に手に入るけど、それではつまらないではないか、というぼくの考え。じぶんが面倒臭い。でもやっぱり、お店で発見して保護したい。

さて、お風呂に入らなければ。

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