フランスのアレルギー科

もともとアレルギー体質で鼻炎持ちなので日本では小さいころから耳鼻科に通っていた。
2016年にフランスにやってきて、言葉もわからない状態で生活をはじめたから病院に行くということが全くと言っていいほどなかった。

そうは言っても、たまには体調を崩すし、たとえばメガネを買うにも病院に行く必要があるからフランスで生活するなら避けては通れない。

フランスの病院は…というか、だいたいどんなところに行くにもランデブー(予約)をとらないことには何もはじまらないのがフランス流。
日本みたいに予約なしで行って、順番待ちをすれば診てもらえるなんてことはまずない。救急は別だが(それでも3〜4時間待たされるの事はざらにある)。
毎回思うけど、今日急に体調が悪いんだよ…とかいう時めちゃ困る。しかもランデブーを取ろうとしても2週間先、1ヶ月先なんてことも珍しくない。そのころには治ってるわい。

それは置いといて、
耳鼻科の治療を再開するきっかけになったのが右耳の不調。
日本にいるときから大きい音がしたりすると耳の中がビリビリいうようになっていたが、治療という治療はしてもらえず鼻を強くかまないようにと言われるくらいだった。
最初こそものすごく気になるし不快だったけど慣れというのは怖いもので、それが長く続いてこれが通常と身体が慣れてしまうと生活に何ら支障はなく医者に相談することもなくなった。

そんな生活を日本にいるときから10年近くかそれ以上つづけていたところ、あるとき右耳が急に聴こえづらくなった。
例えるなら水の中にいる時のような感覚。頭を横にするとザラザラっと耳の中でなにかが流れるような雑音も聞こていた気がする。

かかりつけ医から耳鼻科を紹介してもらい診察を受けると、鼓膜の奥に液体が溜まっているのが原因だとわかった。
そもそもは鼻炎が原因で耳が不調を起こしたらしく、耳と同時に鼻の治療も再開することになった。

たぶん2〜3回くらいは定期的に通ったが、そのあとにコロナが蔓延してフランスがロックダウンになったことをきっかけに通院もしなくなった。

しばらくはそのまま過ごしていたが、アレルギー性鼻炎持ちの自分にはとても厄介なことに、程度の違いはあれど一年中アレルギー物質がある中での生活は不快でしかない。
そこでアレルギーの専門医を受診することにした。たしか5月頃だったと思う。

物腰柔らかそうなマダムではあったが、意外とピシャっとものを言う人で、まあこの人がそう言うならと納得して治療をはじめた。
薬を飲んでみたり、やめてみたりして、どの時期に一番ひどく症状がでるかとかそんなことを4〜5ヶ月続けた。

様子見の期間がおわり、10月の受診時にアレルギー物質のパッチテスト?のようなものを受けた。
両腕の内側に短い針をチクチクと刺して少し傷をつけた後、アレルギー物質の液を針で刺した箇所にポタポタと垂らして合計で12種類とかの反応の出方をみる。

15分ほど待機することになるが、その間にも箇所によってはものすごく痒みがでてボコっと赤く腫れ上がるところがあった。
マダム曰く、ダニと猫にものすごく反応しているらしい。

この結果から、désensibilisation(デソンシビリザシオン)を始めましょうと提案される。要は反応がでているアレルギー物質に対して反応が出ない(出にくい)ようにする治療で、専用の薬を毎日服用する。マダム曰く3年くらいの長期治療になるとのこと。
10月末から治療をはじめることになった。

つづく

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