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独りぼっちにしないこと

なにがおこっているのかわからない
なにがおこるのかわからない
相手の気持ちもわからない
自分の気持ちもわからない

とにかく不安
とにかく怖い
とにかく苦しい
とにかく寂しい
とにかく悲しい

この世に生をうけたばかりのとき
生きていて思いもよらぬ辛いことがあったとき
物事がうまく行かないとき
死への不安におびえているとき
こころが弱っているとき


そんなとき

自分の気持ちがわからなくなります
自分の気持ちを抱えられなくなります
そして人とうまく繋がれなくなります

そして

自分を大事にできなかったり
人を信じることができなかったり
過去のことなのに今のことのように思えたり
ネガティブなことしか見えなくなったり
いいことはなにも考えられなかったり
責められているように感じたり
目の前の人に怒りをぶつけたり
相手に自分の全部をあけわたしてしまったり
次の一歩が踏み出せなかったり

そういうことがおこります

こころが”いまここ”にいられなくなくなっている状態です
それはこれまでに受けてきたこころの傷によるものかもしれません
その傷は脳の表面の「あたま」ではなく
脳の奥の方である「からだ」に刻まれているかもしれません

他の人の言葉を聞いたり行動をみるだけで
それが自分を直接傷つけるものでなくても
それまでのこころの傷が深すぎて
どうにも疼いて苦しくて
たすけもそのまま素直にうけとれない

人からいろいろと言われるのもいや
でもひとりぼっちもいや

そんなときはただ

ひとりじゃないよ、とそばにいてほしい
わかっているよ、と気にかけてもらいたい
がんばったねと、ほめてもらいたい
たいへんだったねと、ねぎらってもらいたい

産まれたばかりの赤子のようにただ泣いて
自分はこの世にひとりじゃないことを確かめたいのです

「心の傷を癒やすということ」

「心の傷を癒やすということ」という本があります。
安克昌先生という精神科医によって書かれた本です。

安先生は阪神大震災語に心のケアに奔走され、がんで若くして亡くなられました。最近、同タイトルでNHKでドラマ化され、そのやさしい関西弁でのやりとりが印象にのこっている人も多いでしょう。

その中で安ドクターの言葉

心のケアって、何か分かった。
誰も独りぼっちにさせへんって事や。

(何や、あんたがずっとやってきた事やな)

…うん。

僕な、心のケアって何やろってずっと考えてるんやけど、もしかしたら『ひとりひとりが尊重される社会をつくる』って事ちゃうかなって。





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