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プロット作成沼をゆく

 こんにちは、はぐれです。

 夢枕獏の『白鯨』、ようやく半分まで読んだ。
 ちょうど、万次郎の乗るピークオッド号が嵐に揉まれるシーンなんですけど……。嵐のなかの船内の描写がねーーーーー、うますぎ。

 本当に嵐の中にいるかのようだった。緻密なのに過不足がない、素敵な文章だ。読むたびに胸打たれている。

『白鯨』に出てくる人物の何人かは、クジラという巨大生物へと憑りつかれてしまったように執着するんだけど、もはや俺も獏に憑かれてしまった。

 改めて、『やっぱ小説書きてえな~~~』って思った。あんなの読まされちゃあね……。という訳で、半年以上寝かせていたプロットに着手しようと思う。読み終えたらだけど。

 ただ、プロットというものは、タネから完成に至るまでが最も面倒なので困る。あ、ここから本題。

 プロットのタネを作るというのは、比較的には楽だ。一発のアイデアに、多少の枠組みを加えるだけで良い。

 例えば、ファンタジー物で「こういう世界観は面白そうだ」と考えて、舞台はA大陸で、主人公はB、ストーリーの流れなどもおおむね構想する。世界観を見せるなら、こういう文章が良いだろう。とかも浮かんでくる。

 など、この辺りを揃えれば、それはもうタネと呼べるだろう。(個人差はあれど)

 ただ問題なのは、このタネをプロットへと昇華するのに、膨大な外堀を埋める必要があるという点だ。これは、タネに対して考えうる大量のツッコミを捌き、ストーリーに説得力を生み出すためである。

 頭の中にぼんやりと浮かぶA大陸がA大陸であるためには、気候・地理・歴史、そういった条件設定をしないといけない。それらに現実とおなじ物理法則を適用するなら、それを学ぶところから始める必要がある。

 また、Bという主人公がそこに産まれるに当たり、こういう父母が居て、こういう家系で、この地域はこういう社会で……みたいなことを考える必要もある。

 この作業は、果てしない。

 これをどこまで設定して、どこまで見せるかは裁量によるだろうけど、あまりにも設定が甘いと、物語は読者のツッコミにより一撃で瓦解する。

 というか、書いている途中に自分で「これはどう説明を付ければ……?」と考え込んでしまう事もある。そうなると、執筆から離れてプロットの穴を修正しないといけない。モチベーションも下がっていく。

 そうなるのを防ぐため、出来るだけ外堀を埋める方がいいと自分は思う。が、そうする間に作品への熱量が薄れていくということもままある。(人間、『タネ』を考えた瞬間が一番やる気がある)

 この、説得力とモチベーションの問題を最大公約数的に解くなら、爆速でタネからプロットを生み出す、というのが一番なのだが、これはよっぽど集中してみないと難しい。無理に早めて粗ができたら意味もないし。

 現実問題、この問題に対する答えは以下二つくらいだろうか。

・ある程度ツッコミを無視し、面白さでぶん殴る

・じっくり作る

 前者は、他人の目を考えず、作品をバカスカ生み出せる点において優れる。作品をめちゃくちゃ作れば、仮にツッコミを受けても、それが経験値として蓄積されるからだ。

 次に後者。完璧を目指し、自分の中の客観視を封殺するやり方。石橋をたたいて渡る訳だが、一作にとても時間が掛かるのは難点だ。しかも、経験が浅いとツッコミを想定しきれない可能性もある。

 文の流れでバレたと思うが、できるなら俺は前者を推したい。ただ、ツッコミを無視できるメンタルのタフさというのが、書き手に今あるかどうかは分からない。

 なので後者を選ぶ気持ちは分かる。俺も、前者に憧れてズルズル後者に行っちゃうタイプだ。

 だからまあ、現時点で自分に合う方を選ぶしかないんだろうな。結局そう。あ、第n番目の選択肢があれば、誰か教えてくれ。全責任を負ってもらって俺が試すから。

 冗談じゃなくマジで教えて。

 今日のお昼教えっから!ね!

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  https://www.marumiya.co.jp/cms/web/viewitem/5034/1

 頼むね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(終)

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