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ノンストップ 忘れ物篇

2023年12月1日(金)


14:00
勤務シフト、先月に予定聞かれて
勤務割りを時間指定したら
昼から休みにされていた。
相談も声かけもなし。もうやだなぁ…。
いいや…お昼も抜いたし…
とっとと出発しよ。
大須行って、それから銭湯に…。

今日は、ライブである。
今日も、とか言わないでほしい。
昨日は行ってないから。

なんだか気疲れしていた。

でっかいダージーパイを食おう。
食べたことないんだよね。
ダージーパイは台湾の唐揚げ。
顔くらいある、でっかい唐揚げだ。

労働の不平を食やその他で紛らわそうとする。
良くないよ…とどこかで言っているが
まあ聞かないよね。わがままな時は。

しかしリュックが重たいなぁ。。
職場から大須に向かう。
月曜テレワークだから
ノートパソコンが入ってる
バカみたいに重い。

今日は銭湯も行きたいから
お風呂セットも入ってる。
だからかな…しかし重すぎる。
あとで確認しよう。


大須は食べ歩きで有名
以前、エアロスミスのたい焼きを食べた
鳴門やたい焼き本舗が見える

大須商店街にはいろいろある。
たい焼き、たこ焼き、玉せん
韓国屋台料理、ブラジル料理、ケバブ
芋のスイーツ、イチゴのパフェ、りんご飴
ロールアイスに、あのクァベギまである。

大阪も食い倒れといわれるが
名古屋でもできるようである。
やったことはないが。食い倒れ。
倒れるまで食うやつがあるか。

銭湯もあるし、大須を代表する
大須観音など寺社仏閣もある。

万松寺まえの白竜像
突き抜けてるって、はじめて知った


お昼休憩なしで退勤をして
家から持参したフジパンさんの
ネオバターロールの袋を空ける。

なんだか今日は午前中から
とても唐揚げが食いたかった。
ダージーパイという台湾唐揚げの店が
いつだか前にテレビかなにかでやっていた。
あそこに行こう。

大須は賑やかだった。
海外からの観光客が多い。
店には行列ができているところもある。
暫く行くと、大須でも北端に近い場所に
ダージーパイのお店があった。

味は5種類くらいだったと思う
でっかい
けど薄くて平らだから、軽く食べられそう

オーソドックスなスパイスの味を注文。
食べやすい。
パンと交互に食べる。
これは、のどが渇くやつ。
飲み物、なにか買おうかな…
いや、先にリュックをなんとかしよう
なにが入ってるんだ。重すぎる

矢場町あたりの交差点で
リュックの中を見てみる。

家から持ってきていたペプシと
ブラックニッカの小瓶が出てくる。

職場に酒持って行っていたことになるね


バカみたいにリュックが重いのは、
私がバカでしたって話。

しかしこのバカは、ペプシを少し飲んで
酒をタパタパとペットボトルにいれます。

これで飲み物ができたね!バカやろう!
テンションが上がってきた。

スパイシーな唐揚げにアルコールの親和性は
脳のドーパミンをドバドバ出してくる。
健康への背徳感が、あまりに強い。

もう最高です。

まだ秋。いや冬。

12月だ。みんな忙しそう…なこともない。
人が通りに多い。場所も関係するのかな。
金曜の午後、遊びに繰り出す若者が多い。


都市に木々があると安心する
紅葉黄葉きれい

久屋大通公園沿いに
唐揚げとバターロール齧りながら北上する。

でかいリュックを胸の前にかついぐ。
パンも飲み物も。ここがテーブル代わり。
海外ドラマの食いしん坊スタイルかな。
これが以外と使えるんですよ。

揚げたてだからアツアツでサクサク
でっかい歯形みたいになっててすまん
昼来ることは、あんまりない
夜だとビルの形とかわかんないから新鮮

公園をのんびり歩く。

東方面への道を渡ろうとしていた時
公園の片隅にて黒い物体を見つける。

おや、あれは…?
スマホだ
え~…
持ち主が見当たらない

状況把握。
スマホって、いまや財布のようなもんだろ。
呼ぶかポリスメン。
いや。交番だな。
マップを開く。
西に戻ったところと
これから向かう東に、
それぞれあった。

道を渡り東へ。

向かいに広場のある池田交番

ガラガラッと戸を開けると3名の駐在さん
左から、中堅、若手、熟練といった風。
まぁ人間中身が大事だけどね。

スマホ拾った旨を伝えると、中堅が説明する。
「スマホは、財布や他の拾得物と違って
 物品をお渡しする権利がありません。
 簡単に説明すると謝礼やお返ししたりの
 権利が発生ないんですがー」

あっ、はい。別に構いませんよ。

そう言うと彼は席を立ち奥の方へ。
変わりに若手がメモを、熟練が地図を出した。
「簡単にでいいので、拾った場所、時間
 状況を教えていただいても?」

説明。

写真に納めていてよかった。
場所も時間もデータに残されるからだ。
簡単にメモを取る若手。
熟練は地図を指差し「ここね」と、短く。
そして
「ご協力ありがとうございます
 (お帰りいただいて)結構ですよ」

あ、終わり?
拾得者の名前も連絡先も聞かないんだ。
ああ、遺失物の権利発生しないからか。
なんだか拍子抜けである。

広場にあるモニュメント

今夜の会場の下見をしよう。
交番を出て東、広場から10分ほど歩く。



クラブロックンロール

まず目に飛び込んでくる、ド派手な看板
外観もROCK'N'ROLL
ライブハウス、30周年とのこと
めでたい


始めて来るライブハウスは
中がどんな風か、入るまでわからない。
中身のわからないプレゼントのように
なかなか楽しみなものである。

では、演者さんに会う前に退散しよう。
たとえ外で誰かと会ったとしても、
気軽に話しかけられる性分ではなく…
理由は特にないのだが。
なんとなしに、気恥ずかしい。

さぁて!

銭湯に行って!
どこかで腹ごなしして!
それからまたここに行こうかな!

ライブ前にはプレゼントも渡して…

プレゼントも…わた…し

あ。


持ってきてないですね。

プレゼント。

会社の机の下に置いたままですね。

プレゼント。



はるか上空を、音もなく飛行機が飛んで行く。



おーい。私も連れてってくれないか。


…取りに戻るか。





つづく

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