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羽黒山小話

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「日本民俗学」の創始者であり民俗学の父・柳田國男も繰り返し読んだ、戸川安章著『羽黒山二百話』をベースに、羽黒山の小話を簡単に紹介します。不定期掲載。
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#西川須賀雄

閻魔大王もさすがに背中を鑿(のみ)で削られれば痛いというお話【羽黒山小話】

刃物を当てられれば痛い  閻魔(えんま)大王と言えば、死の神や冥界の王など様々な名で称されていますが、ほとんどの絵画や彫刻のような像はどれも叱咤をするような顔つきであり、多くの人は恐ろしく感じるでしょう。 閻魔大王は仏教では菩薩の化身などとして経典に説かれるなどしていて、今も老若男女に広く伝わっています。 羽黒山にも閻魔大王の石像があります。 元々は羽黒山の御坂にあり、現在は正善院の黄金堂境内に安置されています。  神仏分離令が発令され、盛んに廃仏毀釈(廃仏)運動がなさ