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学芸員のバックヤード

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一般来館者からは見えにくい、いでは文化記念館学芸員の活動を紹介。学芸員という職業に興味がある方も、いでは文化記念館や羽黒地域に興味がある方にもおすすめです。不定期投稿。
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記事一覧

例祭(花祭)を見学しました【学芸員のバックヤード】

毎年7月15日に羽黒山山頂三神合祭殿にて行われる例祭。雨の中ではありますが、多くの人が集まりました。 例祭(花祭)とは 出羽三山神社ではこのように紹介されています。 ちょうど稲の花が咲くこの時期。羽黒山山頂にある鏡池の周りを、神移しの儀が行われた三基(月山神社・出羽神社・湯殿山神社)の神輿と、写真のような稲の花を模した「花梵天」(または万灯)と呼ばれる献燈が、地区の若者たちによって担がれ巡行されます。 その行列の中、参拝者は神木や花梵天の花を奪い合います。この花には、

月山卯歳御縁年記念企画展『月山の記憶ー信仰と登拝の道―』開始しました!【学芸員のバックヤード】

 2023年6月24日より、いでは文化記念館では月山卯歳御縁年記念企画展『月山の記憶ー信仰と登拝の道―』が開始しました。  本年は卯年ですので、月山の御縁年です。月山卯歳御縁年を記念して、月山の阿弥陀信仰・祖霊信仰や月山への登拝(とうはい)を中心とした展示会を行います。 企画展について 『月山の記憶ー信仰と登拝の道―』のイベント告知ページはこちら 古くから山岳信仰の霊場として栄えてきた出羽三山。中でも霊峰月山の開山した卯年に参拝すれば12年分のご利益があるとされ、御縁年

高寺八講の舞を見学しました【学芸員のバックヤード】

 5月4日(木・祝)に、羽黒町高寺の雷電神社にて高寺八講が行われました。 昨年度は2年ぶりの舞の奉納、今年度は4年ぶりの「くねり」(祭りなどにおける行列)が行われ、見物客も昨年の約2倍。天気も良好でした。 高寺八講とは  高寺八講とは、毎年この時期に雷電神社の例祭に奉納される神事芸能です。平安時代末期から室町時代にかけて行われた「延年」(注1)と呼ばれる寺院芸能を今に伝え、昭和51年に山形県指定無形民俗文化財に指定されました。  高寺八講の舞はかつて8曲ありました*¹が現

企画展作家のインタビュー&ギャラリートークを開催しました【学芸員のバックヤード】

 2023年4月9日(日)に企画展『描かれた出羽三山ー女性アーティスト達による作品展ー』の2部制のギャラリートークを開催しました。  第1部はいでは文化記念館レクチャーホールにてインタビュートーク、休憩を挟み、第2部では企画展示室に移動してのギャラリートークを行いました。 第1部:インタビュー  第1部では、アーティスト紹介を行った後、青木みのりさん・山月まりさん・吉田祐子さん・渡辺綾さんに当館学芸員がインタビューをしました。本企画展における作品制作で思ったことや、アーテ

2023春・企画展展示替えのお知らせ【学芸員のバックヤード】

展示替えを行います いでは文化記念館では、2022年冬の企画展『描かれた出羽三山ー女性アーティスト達による作品展ー』の展示が2023年4月10日(月)に終了します。また、2023年4月15日(土)~2023年6月19日(月)の期間で、2023年春の企画展『第23回出羽三山の里フォトコンテスト入賞作品展』を開催します。それに伴い、4月12日(水)~4月14日(金)は展示替えの期間となります(4月11日(火)は休館日です)。 展示替え期間中の入館料について  展示替えの期間は

企画展アーティスト在廊とテレビ出演のご報告【学芸員のバックヤード】

 2022年11月26日(土)よりいでは文化記念館にて開催中の企画展『描かれた出羽三山ー女性アーティスト達による作品展ー』で、3月11日(土)に出展アーティストの方々が在廊されました。  本日は天気も良く、五重塔や羽黒山頂への観光だけでなく当館に訪れる方も多くいらっしゃいました。中には「先日テレビを見まして」と入場される方も。 企画展がテレビで放送されました  2月に本企画展がTUY(テレビユー山形)さん・NHK(山形)さんのテレビニュースに取り上げられ放送されました。

いでは文化記念館開催中の企画展『描かれた出羽三山』の展示替えを行いました【学芸員のバックヤード】

 11月26日(土)より、いでは文化記念館では企画展『描かれた出羽三山―女性アーティスト達による作品展―』を開催しています。 詳細はこちら  今回は主に出羽三山をテーマとした絵画展です。各々のアーティストが描く世界をぜひ堪能してみてください。出展アーティストの意向により、今回は企画展示室は撮影OKとなっています。 ぜひTwitterやInstagramで「#描かれた出羽三山」のタグをつけて感想を投稿していただけると幸いです。 ※常設展は撮影NGです。撮影可能な場所については

2022冬・企画展展示替えのお知らせ【学芸員のバックヤード】

展示替えを行います いでは文化記念館では、2022年夏・秋の企画展『羽黒山と庄内藩ー天宥別当事蹟・芭蕉門弟と庄内俳壇ー』の展示が2022年11月21日(月)に終了します。また、2022年11月26日(土)~2023年4月10日(月)の期間で、2022年冬の企画展『描かれた出羽三山ー女性アーティスト達による作品展ー』を開催します。それに伴い、11月23日(水・祝)~11月25日(金)は展示替えの期間となります(11月22日(火)は休館日です)。 展示替え期間中の入館料について

企画展記念講演を開催しました【学芸員のバックヤード】

 9月19日(月・祝)に、現在開催中の企画展『羽黒山と庄内藩ー天宥別当事蹟・芭蕉門弟と庄内俳壇ー』の記念として、山形大学名誉教授で民俗学者の岩鼻通明先生をお招きし、講演『近世の羽黒山と庄内藩ー出羽三山をめぐる関係ー』をいでは文化記念館レクチャーホールにて開催しました。  はじめに羽黒町観光協会(いでは文化記念館)事務局の方から挨拶及び講師紹介を行いました。 講師紹介  岩鼻通明先生は山岳信仰文化研究を行っておられる山形県在住の民俗学者で、村山民俗学会・山形県民俗研究協議

次回企画展の打ち合わせを行いました【学芸員のバックヤード】

 先日、次回の冬季企画展の事前ミーティングを行いました。展示協力者の皆さんといでは文化記念館にて、資料の搬入日程や展示方法等について話し合いました。 事前ミーティングを行いました  冬季企画展は、県内在住のアーティストによる、庄内や出羽三山をモチーフとした絵画・イラスト作品の展示を行います。様々な角度から改めて出羽三山の魅力を知ってもらえるような展示とさせていただきます。  いでは文化記念館では収蔵資料としての絵画展は過去に行ったことはありますが、アーティストの方をお招

2022「羽黒山歴史探訪」第1回の下見に行ってきました【学芸員のバックヤード】

 「羽黒山歴史探訪」について、今年は10月8日(土)・11月3日(木・祝)に行う予定です。今回は10月8日(土)の開催についての下見に行ってきました。 「羽黒山歴史探訪」とは?  「羽黒山歴史探訪」はいでは文化記念館を出発し、講師の解説を聞いて羽黒山に対しての造詣を深めながら史跡をめぐる約半日の旅です。  いでは文化記念館では、出羽三山文化の学習活動を促し、地域文化をさらに盛り立てていくために、実際に羽黒山の周辺史跡をまわる「羽黒山歴史探訪」を開催しています。羽黒山の深い

卒業研究への協力と宿坊についての小話【学芸員のバックヤード】

卒業研究への協力を行いました  先日、卒業研究の調査として大学生の方がいらっしゃいました。  宿坊についての調査をしているとのことで、事前にいでは文化記念館にお問い合わせいただいておりました。宿坊に関する有識者に声をおかけし快諾いただけましたので、僭越ながらお話を聞く場をセッティングしました。(写真掲載の許可をしていただきありがとうございます。)  卒業研究だけでなく、個人、大学を含む研究機関から調査研究目的でいらっしゃる方は毎年少なくありませんし、県内外からいらっしゃい