わたしたちの肌を作るもの
私がロレアルグループの美容部員だったころ、研修で学んだことがある。
入社すぐの一週間、本社でトレーニングを受けた。
まずは、皮膚の知識。そして、メイクアップの技術、接客の基礎、最後には試験がある。
トレーニングの終盤になって、改めて座学の時間があった。
そのときに教えてもらったのが、化粧品における動物実験について。
あくまで当時の話で、今のロレアルグループの化粧品開発がどうなっているのか分からないのだけれど。
そのときに見たものは、皮膚のただれたウサギが大量に固定されている写真だった。
写真を見せながらトレーナーが教えたこと。
「人間が安全に化粧品を使うことができている理由は、動物による犠牲があるためということを覚えておいてください」
「でも、だからこそ、化粧水は最後の一滴まで、クリームは容器の隅々まで、ありがたく使ってください。そして、お客様にも、最後の最後まで使いたくなるような、私たちのブランドや製品を大好きになってもらえるような接客を、心がけてください」
販売するときに、動物実験の話をする必要はないけれど、自分が売る商品がどういう風に作られたかは、知ったほうがいい。
消費者として知ること、販売者として自覚すること。
私は、原料がオーガニックで、手作りの製品ばかり使っているわけじゃない。
美容部員をしていたからこそ、科学の力で即効力のある化粧品のすばらしさも知っている。
だから、大切に使う、ありがたい気持ちを持つ。
動物実験をしなくても、安全で効果のある化粧品が、手軽に安価で手に入る未来が早く来るといいなぁ。
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