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クラウド、全体最適と個別最適

Kindle Unlimitedがようやく日本でスタートしましたね。月額980円。ビジネス書をよく読む人なんかは一冊で元が取れてしまう金額だと思います。この対象になっていないKindle本があるのも事実です。欲しいのが全部Unlimitedだったらという気持ちを持っている人もいるかもしれません。でもある程度カバーできそうなものがあった上で、買うときは買うというスタンスで使うサービスじゃないかと思います。今後このサービスはどこまで伸びていくんでしょうか。楽しみです。

こういうことを考えた時にふとUnlimitedをクラウド、個別に所有するのをオンプレミスと置き換えて考えてみたんです。

クラウドはだいたいが万人向けに用意されたものなので個別に必要なものはPaaSやIaaSなどの別のクラウドサービスを使って作るか、今まで通りのシステム開発を行うかになります。新規だったりシステムの老朽化対策でクラウドを検討した際に一個のサービスに全部押し込めないかと考える気持ちもわかります。

せっかく全体の80%、90%をカバーできそうなサービスがあるのだからそこで100%できないかと考えがちだと思います。これは今あるシステム全体に言えることでもありますが、一時100%を達成したとしても継続して使う上では100%のままではありません。ニーズが変わるからです。提供されるクラウドサービスもニーズを追いかけるのに一生懸命になるでしょう。しかしそれは全体最適の中で考えながら注力していかなければ破綻するしかないので個別の要望に必ずしも応えられるものではないのは理解しなければならない点です。

単純に二階建てで考えて全体最適としての基本の部分をどこまでカバーするのか、個別最適もある程度は必要です。それを二階として考える。二階は大きく作りすぎてはいけませんし、高層階なんて建てようものなら身動き取れなくなる上にリスクしかありません。

結局今までどおりにしたいということでシステムをいじろうとするのはあかんということです。単純にインフラをIaaSに持っていくというだけでも検討する事項はあります。それも今までのルールをそのまま適用なんてできないですし、そこで全体としてうまくやるのか、個別にこだわる部分を通すのかということがあります。

会社のコストでも個人的な出費でもあまり凸凹したくないというのはあると思います。しかし基礎部分の面積と上物の面積という構図で考えるしか現実、具体に対応する柔軟性が出てこないと私は考えます。

あとは全体最適の基礎部分も個々の会社でなんとかするのも徐々にしんどくなります。個別に深掘りした優秀なIT人材なんて人口動態から見てもこの先確保しきれません。その部分のクオリティも含めておまかせにする部分、自前で持つ部分をしっかり考えることができ、新しいサービスを使う審美眼を持ったITスタッフは持つべきです。コストダウンも必要ですが、どうやったら会社のリソースとしてシステムを維持しビジネスを継続していけるのか。そう言う目で今後のシステムを考えないと大変な時代だと思います。


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