見出し画像

YouTuber社長になり、好きなことで突き抜けた

1回:女性YouTuber社長・ロシアン佐藤。エンジニアからインフルエンサーに

フードファイター歴10周年を迎える大食いタレントであり、エッジニア合同会社の共同代表兼COO、そしてYouTuberのロシアン佐藤さん。YouTube活動のきっかけは、同じく大食いタレントの木下ゆうかさんとの会話だ。

ロシアン佐藤:木下ゆうかちゃんが「YouTubeおもしろいよ、飽き症の私がこんなに続けられたのは初めて」と言っていて、興味を持ちました。木下ゆうかちゃんがYouTube投稿を始めてからも何度か会って動画について話したりして。今ではたくさんの大食いタレントがYouTube活動をしているので、コラボ動画を撮影することもあります。

YouTuber活動を始めた2016年2月、ロシアン佐藤さんはエンジニア職の会社員だった。その4か月後に独立してエッジニア合同会社の共同代表になり、タレントやYouTuberとしての活動にも注力するため「IT×食×動画」を会社の主軸に据えた。動画撮影も社内で行っている。

ロシアン佐藤:自分たちの好きなことを仕事にしようと思って、食をテーマにしました。そもそもYouTubeは大食いタレントとしてのブランディングのためにスタートしたのですが、見てくれる人が増えてきたので、もっと本気で取り組むために事業化したという流れです。会社の立ち上げメンバーは全員エンジニアなんですけど、元パティシエなど食に興味があるメンバーが揃っていたので、食の楽しさを伝えることを事業の軸にしています。

「もともと起業家気質でしたか?」と聞くと、ロシアン佐藤さんは「ぜんっぜん起業家気質じゃありません」と即答した。

ロシアン佐藤:昔は物事に対してすごく受動的でした。自分から「こうしたい」「ああしたい」と言いはするけど、じゃあどうするかという動き方までは全く考えられなくて、誰かが動いてくれるのを待っていたんです。今は代表としてやりたいことをどう形にするか考えなきゃいけないので、ようやく能動的に動けるようになりました。自分から発信して前のめりに行動しないと、物事って本当に動かないんですよね。

合同で代表を務めるのは、会社員時代にロシアン佐藤さんの上司だった塚田賢一郎さんだ。

塚田さんがロシアン佐藤さんを誘い、エッジニア合同会社を立ち上げた。男性上司が女性部下を同じ立場の合同代表に指名するのはなかなか珍しい。「ロシアン佐藤さんを信頼しているんですね」と塚田さんに水を向けると、深く頷いた。

塚田:はい。10年近くいっしょにいて、右腕として活躍してもらっていました。佐藤はすごく優秀なんですよ。地頭が良くて、物覚えが早い。クリエイティブ気質でほかの人にはない能力も持っていたので、会社員時代に佐藤が別のチームに異動しそうになった時は「佐藤は手放したくない」とごねて阻止したくらいです。

ロシアン佐藤:塚田さんには敬語で話してはいますけど、いわゆる上司部下の上下関係はなかったので、合同代表を務めることにも抵抗はありませんでした。生意気かもしれないですけど(笑)大食いの仕事も自由にやっていいと言ってくれたので、迷わず独立の道を選びました。

現在は、塚田さんがロシアン佐藤さんのマネジメントを担当している。塚田さんは物静かで真摯な男性であり、ロシアン佐藤さんへ向ける眼差しは上司というより兄に近かった。一歩引いて、尊重しながら見守っている。「塚田さん、お優しそうですね」とロシアン佐藤さんに聞くと、少しうれしそうに笑ってから首を振った。

ロシアン佐藤:いやいや、そうでもないですよ。よく意見がぶつかります。ガツンと言われて泣くこともあるくらいで。

笑顔の裏側が垣間見えた。

はぎぱん:やはり代表同士でぶつかることもあるんですか?

ロシアン佐藤:そうですね。塚田に限らず、役員同士のぶつかり合いは多いです。でも、それはみんなが本気で「会社を良くしたい」「こんなことをやりたい」って考えているから。だからそれぞれの主張がぶつかったとしても、相手の意見を認めるべきだし、自分も相手に理解してもらえるまで話し合わなきゃいけないと学びました。

塚田さんをちらりと見ると、ちょっと困った顔をしながら口を開いた。

次▶ネット批判にどう向き合うか。YouTuber社長は「楽しみ続ける」と言った

最後まで読んでいただいてありがとうございます!Xでも文章や本づくりのコツや考えをポストしてますので、フォローしていただけるとうれしいです。出版・編集の仲間も募集中です! https://twitter.com/hagiwriter