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本当に私たちは「努力が必ず報われる」社会で生きているのか??

自分が中学生のころにAKB48というアイドルグループがめちゃくちゃはやりました。

AKBは選抜総選挙というファン投票を年1回行っていて、当時リーダーを務めていた「たかみな」こと高橋みなみがスピーチでこんなこと言ってました。

「努力は必ず報われると、私、高橋みなみは、人生をもって証明します」

うおおおおおお!!!たかみなあああああ!!!かっこえええ!!!🔥🔥

たかみなは14歳からアイドルという仕事の門を開きました。徐々にAKB48というグループが全国区になり、まだ当時はこのような大所帯のアイドルグループが世間に受け入れられなかった中、キャプテンとして引っ張ったたかみなの努力は想像を超えるくらいとてつもないものだったことかと思います。

「努力は必ず報われる」
自分がこの言葉を初めて聞いたのは、たかみなのセリフなのですが、いろんなところで使われる言葉ですよね。
(もともとは王貞治が話したものらしいですね。「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。努力しても報われなかった、それは努力をしていなかったからではなく、努力とは呼べない域だった」というところからの引用です。)


突然のカミングアウトですが、私は凡人以下の人間です。

努力……できたらいいけど大変だしなぁって思ってる人間です。

大人になるまでに努力をしてきたことはありましたが、胸を張れるほどの努力をしたかと聞かれれば、そこまででもないしなぁってなる人間です。

そんな私にとって「努力は必ず報われる」ものなのか…

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私は、努力をしないと報われないことはたくさんあるが、報われるための運の要素がだんだん強くなっていると思います。

戦争に負けて、ボロボロだった日本はめまぐるしいスピードで経済成長をとげていきました。高度経済成長というやつですね。

あれは当然、日本を立て直そうと頑張ってくれた私たちの先輩方の血と汗のにじんだ努力がもちろん結果になったものです。

ただ、めっちゃドライな事を言うと、戦後間もないころはどん底まで日本経済が落ち込んでいたので、そりゃ成長はしていくよねなんて見方もできます(にしても成長スピードはとてつもないんですけど)


社会全体が頑張れば強くなれる、努力を重ねればもっと伸びるということを信じていた時代は、きっとこのような時期に根付いていたのだと思います。


ただ、今の日本でそのような雰囲気があるかと言われれば、そうでないように見えるのです。少子高齢化で日本人口はこれから減っていく一方でしょう。経済においても「実感なき景気回復」なんて言葉が出回り、どうも暗い雰囲気に思えてならないのです。今働いている世代だって、いろんなものと戦いながら、同じくらいの努力を重ねているというのに、です。

なかなか報われない中で、成功や承認欲求を求めて、SNSという新たな世界で自分の生きる意義を見出そうとする人が出てきました。最近は選挙なんかを利用して自分の名を広めようと、おかしなことをする連中も現れました。

こういったことを行う若者に対して「最近の若者は…」なんて言葉が向けられることも少なくないですが、これって若者が馬鹿だからなのかと言われれば、私は違うと思います。


何か今の日本社会から、努力が報われなくなってきたという現状をどこかで察しているんじゃないか………


ニュースを見てる・見てない、あまり関係ないと思います。実感はなくとも、どこか明るい希望みたいな雰囲気が感じられるか、感じられないか、それだけだと思います。


別に努力を否定しているわけではありません。
何かを成し遂げよう、何かを勝ち得ようと思ったら、努力は当然必要だと思います。正しい方向で努力をすれば、いいことがあることはいつの時代も変だと思います(このnoteだってその可能性があると信じています)

ただ、全員に努力をすることを押し付けようとすることって、もう令和の世の中には合っていないような気がします。

「挑戦を、失敗を、恐れるな!」
「最後は気持ち!」

成し遂げたいことがある人には当てはまりつつも、これからは全員に当てはまるものではないのだと思います。


では、これからはどんなスタンスでいると、報われやすくなっていくのか。

正直ちゃんとした答えは出てないのですが、私はこれからは共生していくことだと思います。相手を理解する、時に相手に合わせる、相手を思いやる、相手を増やして束になる。

今世の中でもこのような考えは浸透しつつある気がします。LGBTQ+、SDGsは他者理解や共生を促す一つのスローガンになりつつあります。ボーダーレス化が世界で巻き起こっています。日本はなお一層ではないでしょうか。



こんな話をしましたが、努力を馬鹿にするのは嫌いです。
努力できる人には本当にあこがれの気持ちと尊敬の気持ちが強いのは変わりません。

しかし、私が教育業界に携わっているからでしょうか。
全体に努力を促すことが、どうしても私の中ではできないのです。

逆に、努力ではない方向で自分らしく生きる道がないかどうか……を模索している、そんな感じ。

努力が報われない、という暗い話ではなく、努力が報われないことが社会全体で増えてきつつあるからこそ、新しい気の持ちようを探してみようかなぁ
という、そんなお話でした。

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