読んだ本4 未来の年表…沖縄市の人口を考えてみた
3月の課題図書『未来の年表』
なんとなくわかったつもりでいたことを明確に、数字を使って説明してくれた本。概要はこんな感じ。
・人口減少は静かなる有事
・このままほおっておけばいつか日本人による日本という国は国家の体をなさなくなる
・若者が希望をもてる社会を目指して、コンパクトで効率的な国家へ作り変えることが有事に備えることとなる
・戦略的に縮むことが求められる
この本の中では日本を救う10の処方箋が提案されていて、そのほとんどが納得できるものだったが、納得できなかった4つについてまとめてみる。
4.都道府県を飛び地合併
生活圏や商圏など行政界とあってないなら合併していくのは賛同するが、さすがに飛び地合併は現実的ではないと思う。それよりは姉妹都市などの制度の延長線上で、繋がりが強いところと連携し、行政サービスさえもシェアできてしまうことの方が補完し合う間柄が作りやすい。やっぱり組織といっても、“理解し合えるか“がとても大事で、合併までしてしまうと、いつまで経ってもひとつになれない苦悩に永遠と対峙することになりそう。
5.国際分業の徹底
得意分野を伸ばし、他は国際的に分担しましょう。他国に委ねましょう。ということのようだが、コロナ禍に置いて人も物も往来できない状況下ではそれだと日々の暮らしができなくなってしまう。人口が減るなら減るなりの自給できる形を目指す方が幸せなんじゃないかと思う。
6.「匠の技」を活用
地方にある匠の技を生かして、少量生産少量販売のビジネスモデルを確立し、海外との取引を行い外貨を稼ぐというものである。もちろん、それは必要なことではあるが、日本人が生活できるだけのものや、大量生産の商品が日本人ならではの工夫を凝らしたものでれば、それは匠の技でなくても十分世界に通用する。また、技術を輸出することも日本人の技を生かせるのではと思う。
どちらがより外貨を稼ぐことができ、日本人を豊かにするのか、議論が必要だと思う。
8.中高年の地方移住推進
脱東京一極集中の対策として提案されており、リタイア後、まだ元気なうちに地方に移住し、コミュニティを作って老後を過ごすというもの。今後は都会における介護施設の需要に応えることができず、介護難民に陥るリスクを防げるし、地方の人口減少における使い道のなくなった公共施設の活用に学び直しのキャンパスとしてちょうどいいと。
これには納得がいかない点が2つある。
1つは地元にいる高齢者がそれを望んでいるか、数が少ないが大切な若者たちがそれを望んでいるのか。ということと、本当にそれに希望があるのか。ということ。地方はより若い人たちが主役とならなければならない。いろんな決定の場においても、高齢者の人口割合が増えると、若い層の望む決定にはなりにくいと考える。脱東京一極集中というなら、若い人が多拠点で生活ができるようなシステムをより推進すべき。
課題図書の概要と感想という前置きが長くなったが、ここからは沖縄市の未来を考えてみる。
2015年国勢調査をベースにした沖縄市の人口推計
・2035年まで人口は増加し続ける
・2030年まで生産人口は増加し続ける
・2020年まで年少人口は増加し続ける
以上からみると、
・学校規模は現状の規模が適正で、あとは学校区の変更で対応すべき。
・人口が増加するが、高齢化率が上がっていくのは、「高齢者が生き続ける=お金がかかる」、「生産年齢の人口は増えない=生産力が上がらない」と言える。
また、自然増、社会増の沖縄市でも、合計特殊出生率は1.97であり、人口は減少していくし、日本の人口減少には影響を受ける。おそらく政府が行う人口減少や少子化対策の制度には当てはまらないため、独自の政策を考えていかなければ、財源の確保ができず、人口減少の状況にならないと対策ができないというおかしなことになりそうである。
沖縄市の処方箋を2つあげるとすれば、“元気で長生き!““生産力の向上“。
日本中で人口減少、高齢化がどんどん進む中で、元気で活気がある都市でありたいと願っている。
今回の課題図書の後書きにあるように、「若者が希望を持てる社会」を目指すためには、団塊ジュニアの私たち自分自身が生き生きと歳をとり自律した生活ができるようになることと同時並行で進めていかなければならないと感じています。
なんとかギリギリ3月中に投稿します。第1本目なので、深く掘り下げることができなかったのは反省事項です。