ゆでたまご、食べていき
神戸市中央区、山手のバス道を走る。少し入り込んだ場所に、月日の経過を感じる小さな「喫茶店」がある。お取引してから30周年のご挨拶に伺った。
「30周年ですね!いつも、ありがとうございます!」とご挨拶すると、少しの間が空いた。「そうやったっけ?忘れとったわぁ!」と大笑い。そして、「前はちゃうとこで店しとったから、合わせたら50年やなぁ」。常連のお客様も「えっ、50年?」と驚く。
「こんなちっちゃい店、来んでもええのに」と笑顔で話し、いつもとは違うロイヤルアルバートのカップで、コーヒーが出てきた。店主さんや常連の皆様の昔話を聞きながら、合間に相づちを打つ。
11:30頃、なぁ、ゆで玉子食べるか?まだ温かいで。店主さんから声がかかった。皮をむく。冷たい。そう、これはモーニング用に準備していた、ゆで玉子の余りなのだ。
ロイヤルアルバートと、冷めたゆで玉子。機械でも、無機質な店員でもない。80を越えても、快活な「おかあさん」の温かい気持ちだと感じた。
あぁ、喫茶店っていいなぁ。