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【棚番号5】 萩原珈琲図鑑

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萩原珈琲の珈琲豆を種類別に記事化。とりためた本棚です。代表的な豆から、陰の立役者支まで。少しずつ、全種類掲載できればと思います。
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#コーヒー

秋のまんまるブレンド

2023年8月31日が満月。そしてスーパームーン。その翌日から発売される「秋のまんまるブレンド」。タイミングが…と思いつつ、その背景を深掘りしてみる。J.C.Q.A.認定 コーヒー鑑定士の長いひとり言。 近年、ハロウィンで盛り上がる報道を目にすることが多く、それに向けたイベントや企画が多い。でも、本来「日本は五穀豊穣、収穫を祝い、感謝する代表的なものの一つにお月見がありますよね?」そんな声からブレンド作りが始まった。いやいや、そもそも「コーヒー」で日本文化を表現が難しいです

萩原珈琲の「モカ」は、逆さ仕上げ 。

萩原珈琲のモカ(生豆生産国:エチオピア)。最も出荷量の多い豆の1つで、サントス・ニブラ、コロンビア・スプレモに匹敵する、年間28tの生豆焙煎量を誇る。この「モカ」については製造方法にもこだわりがある。 エチオピアは元来、伝統的に非水洗式を行ってきたが、最近は「酸味」や、すっきりした味わいが高額で輸出可能なため、製法を「水洗式(ウォッシュド)」に切り替えつつある。伝統を失いつつある生産国の1つなのだ。 ※ 非水洗式:実のまま乾かして、後に種を取り出す方法。 ※ 水洗式:先に

マンデリン。こだわりの「臭み」。

インドネシアのスマトラ島。そこで栽培されているアラビカ種のコーヒーのみを「マンデリン」という。※ インドネシアでは、カネフォラ種(通称:ロブスタ)が広く栽培されており、一般的に麦を煎ったような香りがするといわれることも。  萩原珈琲では入荷の際にいつも、「とにかく臭いもの」というオーダーを出す。この「臭い」とは、マンデリン独特のクセのある香りを指している。このクセは、果実の収穫から、種子を取り出して乾燥させるまでの工程で生じる要因も大きい。 精選工程 ①:果実のまま乾かす

真相。深煎りホンジュラスの役割。

一般的に、栽培地の標高が高かったり、水洗式で精製された豆を深煎りにすると飲みにくいことがある。これは、そもそも標高が高いとボディー(味の強さ)が強くなるためで、それを深煎りすると、味が濃くなりすぎて飲みにくくなる。傾向として、同じ豆の焙煎度を変えると、浅煎りは味が軽く、深煎りは味が濃くなる。 ホンジュラスは、中米に位置し、エルサルバドル、グアテマラに隣接する国だ。萩原珈琲ではこの中米の3か国の豆を、それぞれ違った目的で入荷している。ホンジュラスに関しては、軽い口当たりの「深

果実感と評されるものの答えを求めて。モカ・マタリ。

誤解の多い豆。モカ・マタリ。一般的に多い間違いが「モカ」だと思われていること。実は、モカとモカ・マタリには明確な定義があって、次の基準で区別される。 エチオピア産 アラビカ → モカ イエメン産  アラビカ → モカ・マタリ また、モカマタリは「コーヒールンバ」の題材としてうたわれていることも有名で、その歌詞はどこか「コーヒーの起源説」に沿った内容になっているのも面白い。 さて、私たちがモカ・マタリに求めるものはただ一つ。俗に言う「モカ臭、モカの香り」と言われる果実香と