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ロサンゼルス・クレイジージャーニー③『Youは何しにUberで?』



14時にロサンゼルス国際空港に到着してから2時間経過。
本来ならUberで30-40分後には予約していたモーテルに到着しチェックイン。部屋に荷物を置いてから備え付けのプールでロングビーチの日光を浴びながら長時間のフライトのリカバリーを優雅に行う予定であった。

だが現実は非情である。

汗まみれで道着の入った重いスーツケースを引きずり、歩きすぎて擦り減ったサンダルでロングビーチの果てしない灼熱のPacific coast wayを歩いていた。
行ってから気づいたことだが、ロサンゼルスは日照時間が異常に長い。4時過ぎ頃でも太陽が低くなるどころか頭皮をガンガンに灼いてきた。
当然こんな行軍はスケジューリングしていないので帽子とか用意していない。

そして何より長い。

極小の島国、日本に生まれてきた弊害であろうか。地図的には山手線3駅間くらい、札幌的に言えば北18条〜大通くらいの距離だと思っていた。
北海道を試される大地とか言って調子乗ってた過去の自分を平手打ちしたい。

そして現在、試されているのは自分だった。
前に歩いても歩いても全く宿泊予定のモーテルらしき建物が見えてこない。

それでもこの道の先にはモーテルがあると信じ、孤独と不安を抱えて前に進んでいった。

その時、奇跡が舞い降りる。

1マイル過ぎて「このモーテルも違うか」と通りかかったモーテルの名称を目視で確認し(違うとわかっていても希望を捨てていなかった)、重い足取りで通り過ぎた頃に1台の車が出てきた。
チラリと目をやり、中の後部座席の1人の乗客の目と自分の緊張と不安で血走った目が合った。

???「あれ!?萩原さんじゃないですか?」

日本語で呼びかけられた。

1人旅で海外渡航経験のある人にはわかるかもしれない。英語やポルトガル語で脳が疲弊した頃に耳に入る日本語はとても落ち着くのだ。

俺「そ、その声は...!!!」

「大黒くん!!!大黒くんだ!!!!(涙)」

そう!!トライフォース天満のヘッドインストラクター、大黒喬士君のイケメンフェイスが後部座席車窓から見えているではないか!!!

隣にはトライフォース大阪の木村さん、助手席にはトライフォースの晴くんが見えた。

聞くとトライフォースの方々はここのモーテルに泊まっているとのこと。
何しに行くか聞いてみると今からUberでスパに行くとのことだった。
スパってなんだと思いながらも「スパか〜いいなぁ〜!」と無意味な反射の日本語を発せる喜びを噛み締めながら話した。

日本語で会話できる嬉しさを感じた経験はあまりないかもしれない。

まさに地獄に仏、ロサンゼルスに大黒君だった。

Uberを待たせると悪いので元気に挨拶をして別れ、また宿泊先を目指して歩み出した。

だが、さっきとは違う!足取りが軽い!!
自分は独りではないとそう感じさせてくれたことで強い一歩を踏み出すことができたのである!

絶望の中にこそ希望は輝くものである。
今回の旅で得た実体験に基づく教訓である。
ちなみにただ迷子になっているだけ。


突然の邂逅にテンションが爆上がりしてしまった。

今ならなんでもできる!

そんな中である。時間を確認するため携帯を開くとなんと電波が復活しているではないか!!!

⭐︎電波復活!!今こそUber召喚の時!!


次回、④『それでも歩み続ける』に続く──

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