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ロサンゼルス・クレイジージャーニー ④『Crazy Noisy Bizarre Journey』


前回のあらすじ:ロサンゼルスで大黒君と遭遇後、大黒君のおかげかようやく電波復活。

電波が復活した。

まず最初に行ったのは「本当にこの道で合っているのか?」であった。
解答速報が気になる受験生の気分でGoogleマップをタップ。
合っていた!!この道をまっすぐいけばホテルに辿り着く!!

途端に超安心する自分。

あと2マイルくらいまっすぐ行けばいい。2マイル。楽勝である。
気持ちががすごく楽になった。正直試合の1回戦を既に通過した気分であった。

なんだか楽しくなってきた。

そういえばせっかく海外に来たんだからどこかで練習したい。

『そうだ!!出稽古にいこう!!』

今ならなんでもできる!!

スーツケース引きずりながら近くにジムがないか調べる。

あった。

BRAZILIAN JIUJITSU TOP TEAM Long Beachが近い!!(実はトライフォース勢が前日まで練習に来てたことを知らなかったのである。これも大黒君のお導きかもしれない)

ジムのメールアドレスにメールを送った。
「まあ今からだからメール返ってこなかったらやめとこ」

冗談抜きに2分後にメールが来た。

「18時半からやるからおいでよ」的な軽いメールが返ってきた。信じられない速度である。

そうと決まれば練習だ。
この時18時。今いる道を左折して2キロ歩けばジムに着く。

迷わずジムへ向かった。

もうこの時テンションと交感神経がおかしくなってきており疲れを感じなくなってきていた。
スーツケースを引き摺りながらシグナルヒルを越え、BTT LongBeachへ。

見知らぬジムでも1人でも緊張せず突入していけるのは営業の仕事柄のおかげかもしれない。

「あーっいつもお世話になっております〜」的なテンションでいって受付のお姉さんに誓約書の書き方を教えてもらいながら書いてビジター料金50$(!!)を支払い練習へ。
この時スマホを充電させてくれと懇願し、充電をさせてもらった。本当にありがたい。

まずはドリルから入り、そのあと1分ずつの特定のポジションからのスパーリング、そして5分のスパーリングとなった。

当然ジムの会員さん達は俺が何マイル歩いてきたとかそんな狂った裏事情は関係なく連続で来てくださった。

計20本以上連続でスパーをした。
向こうの選手、特にムンジアル出場予定だという青帯ジュブナイルの選手はとてもレベルが高く、気を抜いたらやられそうな緊張感のあるスパーができた。

最後にムンジアル出場に向けた気合い入れの円陣に参加して1番気合いの入った声を上げて練習終了。

最後に写真撮影となって、渾身のぎゃるぴをかますべく人差し指と中指に力を込めた──

JHOODの道着は海外で大人気でした。オリエンタル!

目瞑っちゃった!!!!

アメリカで柔術の友達できたのは嬉しかったし、積極的に行動して良かったと思う。
柔術家同士は引かれ合う。いずれまた会うはずだ。

写真撮影を終えてジムを出ると辺りは真っ暗、夜の21時。

めちゃくちゃ濃い経験をしたおかげでなんでもできるようになっていた自分。
もはや呪術廻戦で言う黒閃をキメた状態であった。

Twitter(Xとは言いたくない)で敬愛するエクストリーム柔術の馬場さんから「夜は危ないから気をつけて!」とリプをいただいており、お言葉を信じ気をつけて行動をすることにした。

そう!お察しの通り夜のロサンゼルスでモーニング娘。の『恋愛レボリューション21』を大声で歌いながらスーツケースを抱えてダッシュをすることで狂人と見せかけて誰も近づかせないようにしたのである!!

「この星はァ!!美しい!!!2人!出会った!!ち・きゅ・う!!!!」

かくして誰も寄せ付けず、フードを被った青年にこっちを凄い目で見送られながら夜のシグナルヒルを疾走。無事Pacific coast wayまで戻った。

そして残り2マイルを途中あったリカーショップでコカコーラゼロを買って飲みながら歩き続け、ついに...ついに現地時間5/29 21時15分!!
Sea rock Innへ到着!!!!

近くのリカーショップ。リカーショップは飲み物が安い。
チキンの水煮やツナの水煮の缶詰も売っており、減量向き。

空港に着いてから長い長い道のりであった。
色々な出会い(?)があった。
柔術でも骨のあるアダルトの選手達とスパーができたし、色々な人に助けられてホテルまで辿り着けた。
遠回りこそが1番の近道だったわけである。


そして何より1人で試合しているわけじゃないことを今一度再確認できた、長い迷子の道のりであった。


人生史上ベスト3に入る濃い1日だったし、こんな目に遭って絶対1回は勝って帰らないと俺が俺を許せないと思えた。

旅は人を強くすると言うが、この迷子を経験して本当に良かったと心から言いたい。

疲れ果ててベッドに倒れ込み寝てしまって少しの時間合流する予定だったジュント君を締め出してしまったがそこはご愛嬌である。

(コイツはアメリカで野宿するとか言っておきながらホームステイしてやがった。ドジャーズの球場まで遊びに行き、ホテルまでホストファミリーに送り届けてもらっていたのである。少し殴りたくなったが我慢した)

そして今後ムンジアルに出場する若者達へ──

空港からUberに乗る時は必ず住所を調べて伝えるようにしてください。

良い旅を!!!

ロサンゼルス・クレイジージャーニー完結!!

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