素敵な佇まい

　イヤな夢から目覚めて横を見ると嫁さんが布団から顔だけ出している。

　鼻をチョイって触ると

　クシャって表情をする。

　も一回チョイっ………クシャっ

　夢見の悪さはもういなくなっていた。

　noteでは嫁さん好き好きな話ばっかり書いているが、実生活では人にそんな話をすることはまずない。家の中でひっついているのとは違い、外ではいっしょに出かけた先でも各々行動していることも多い。それを見ているはずの周りの方からも「仲いいですね」と言われることが結構ある。これは何なんだろう？と鍋をつつきながら嫁さんと話していた。

　当人たちがわからないのは至極当然である。それぞれが見ているのは各々の視点でしかなくて、ふたりまとめて見ることは出来ないのだから。

　あれこれ考えたあと嫁さんがかます。

「可愛らしさがそう見えるのかしら…」

　キミの可愛さは霊長類ヒト科のそれとは違うと俺は思っているのだが…

　
　ふたりの佇まい…会話をしている時やちょっとした仕草…そんなところに仲の良さや似合いの部分がこぼれるのだろうねぇ。

　よその仲の良い素敵なふたりを見る時にしか実感出来ないんだね。