【Life is Journey:世界一周癒しの旅⑤】「風も人も冷たかったサントリーニ島編」
セドナから空港まで車で2時間。フェニックスからロンドンまで10時間、ロンドンで5時間トランジットして、また4時間飛行機に乗り、アテネ到着は深夜1時過ぎ。サントリーニ島行きのフライトは翌朝10時。深夜に街に出るのも怖いので、またもや空港泊。心地よさそうなところは全部占領されていたので、空港ホテルのロビーへ潜入し、ソファーで座ったままうとうとした。
宿は、サントリーニ島で一番フォトジェニックなイアの街。青い空と白い壁。3月ですら、眩しいほどのコントラストは、どこを切り取っても絵葉書のようだ。
夕方になると、世界で一番美しいと言われる夕陽を見に、島中の観光客が集まる。細い小道沿いに土産物屋やレストラン、カフェやホテルが連なり、ちょっとヴェニスを思い出す。ギリシャの国旗が一番映えるのはサントリーニだろう。でもこれが観光客であふれる季節にどうなるかと思うと、ちょっとうんざりする。
サントリーニは完全に観光地化していて、ツーリストに優しい街とは言い難い。しかも観光シーズンを控え、白壁を塗りなおしたり、ホテルを改装したりと、街をあげて夏に向けた営業の総仕上げといった趣。ばっちり化粧する前の女性のような?そっけなさだ。
もうひとつ、サントリーニと聞くと必ず思い出しそうなのが強い風。滞在中も、時速80㎞もの風がビュンビュン吹いていて、空は青いが外に出る気がせず、部屋で原稿を書いたりした。
サントリーニで一番楽しかったのは、イアからサントリーニの中心地フィラへのハイキングトレイルだ。深く蒼いエーゲ海を眼下に、断崖絶壁の上にしがみつくように広がる白い街並みを目指しての道行は上り下りが多いうえに、風が強くて吹き飛ばされそうになりながらのハードさだったが、絶景につぐ絶景の連続で、11kmを2時間で走破。達成感に包まれる。
サントリーニ唯一の公共交通機関はバスだ。ただし本数が少ないうえに時間が読めず、いつも大幅に待たされた。ワイナリーも二軒訪ねたのだが、「シガラス」へは宿から30分歩き、「ハツィダキス」へは一日数便のバスで近くまでアクセスし、バス停からまた30分をてくてく歩く。帰りはバスが全然来なくて、待つこと1時間。周りを散策しようにも、バスの時刻表があてにならず、バス停を離れられないのが難。
楽しみにしていたワイナリー訪問も、まだシーズンオフだからか、ワインについて説明できる方がいらっしゃらず、ちょっと残念だった。
一番興味があったサントリーニ独自の仕立て=クルーラも、ワイナリーに行く道筋で枯れ木の状態を見ただけ。とはいえ、クルーラという名前通り、くるりと丸まったぶどう樹をこの目で見たし、島の強い風を身をもって感じただけに、なるほどこうしてぶどうを守ったのかと昔の人の知恵に感心する。
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