眠れない夜

睡眠障害かもしれない、全く眠くならない。
試しにと思って、ベランダに出て夜風に当たってみる。煙草をふかしてみたりするが、一向に眠くならない。生温くて、どこか懐かしい匂いのする夜風にあたりながら、ふわふわと、近頃のことを考えてみたりしていた。
 最近の私はというと、なにも上手くいかず、ひたすらに、お馬鹿な失敗を続けている。それも、面白いほどに。全てが考えた通りの悪い結果を招き、さらにはとんでもないおまけまでついていたりする。つくづくついていない。ふう。やれやれ。
 十分すぎるくらい傷ついたいま、わたしは、被害者ぶることで、辛うじてわたしを正当化しているけど、これは果たして正しいのだろうか。もう何もわからないけど。すべてが見下されているような、馬鹿にされているような、そんな気がして、落ち着かない。くやしい。すべて悪い夢だったと思いたい。       
 でも、私にはあいつには無い文才があるし、あいつにはない感受性がある。人間として優れているとは思わないけど、遥かに人間らしく泥臭く生きている、と思う。これもぜーんぶ、わたしの独りよがりなんだけれど。
 あーあ、人なんていとも簡単に他者を嫌いになれる生き物なのだ。なら、最初から誰とも関われなければ、いいのにね。きもちわるいなあ。なんでこんな作りに作られたんだろう。人間はきっと神様がうっかり作った欠陥品なんだとおもう。少なくともわたしが神様だったら、絶対にこんなもの、作ってやらないからな。

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