イギリス紅茶実習|note✕午後の紅茶「#紅茶のある風景 投稿コンテスト」 準グランプリ受賞作
初めて紅茶を飲んだ時のことは覚えていない。記憶の一番深いところにあるのは、小さな頃のお祝いの食事風景だ。誕生日やクリスマスの夜、いつもより少し豪華な食卓を囲みながら、冷蔵庫に待ち受けるホールケーキの存在に心を踊らせていた。メインは食事のはずなのに、私の心はいつも食後の方を向いていて、料理を食べ終わるなり、いそいそとケーキをテーブルに置いたものだ。
母が紅茶を入れてくれるので、それをワクワクしながら眺めるのもイベントの一部だった。ガス火でぐらぐら沸かしたお湯をティーポットに注