見出し画像

ヨーロッパ血液学会「血液腫瘍患者におけるCOVID-19ワクチン接種に関する専門家の意見」

 ヨーロッパ血液学会がHPに掲載している「血液腫瘍患者におけるCOVID-19ワクチン接種に関する専門家の意見」を和訳(+要約+解説)して掲載します。
 血液腫瘍とは、白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などをさします。

1) 血液腫瘍、特に急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫および多発性骨髄腫の患者さんは、感染リスク、COVID-19重症化リスクが高い人々です。従って、ワクチン接種が勧められます。

2) しかし、もともとの病気および抗がん剤治療によって免疫力が下がってしまった患者さんでは、COVID-19ワクチンの効果が弱くなる可能性があります。従って、特にB細胞機能が低下する治療を受けた患者さん*、または自家・同種造血幹細胞を受けた患者さんでは、治療後3〜6か月の間隔をあけて接種することを奨励します

*ここでいう、B細胞機能が低下する治療とは、主にはリツキシマブという主にB細胞性悪性リンパ腫に使用される薬剤や、CAR-T療法と呼ばれるキムリアやイエスカルタ、ブレヤンジを受けた患者さんをさすと考えられます。

3) アナフィラキシーの既往歴のある患者では、重篤な副作用のリスクと期待される利益を比べて慎重に検討する必要があります。

なお、血液腫瘍患者におけるCOVID-19ワクチン接種に関するデータベースは急速に成長しており、現在の勧告の短期的な変更が行われる可能性があります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?