【結論】血液疾患×コロナワクチン

 いままで血液疾患患者さんのコロナワクチン接種について、国内外の情報を紹介してきましたが、これを読んだ僕なりの結論を記載します。

1.  一般の人々と同様の安全性が示されているので、基本的にすべての血液疾患の患者さんにおいてワクチン接種がすすめられます

2.  患者さんを守る意味で、可能な限り周囲の人(家族など)もワクチン接種を行うようにしましょう

3.  現行国内で使用できるCOVID-19ワクチンにおいては、ワクチン接種したからといって新型コロナウイルスを発症することはありません


4.  現在化学療法中の患者さんにおいては、可能なら少しワクチン接種までの期間を置いたほうが有効率(抗体獲得率)が高い可能性はありますが、期間を空けないからといって毒性が増すわけではないので、化学療法中断が難しい場合(ほとんどそうだと思いますが)は、ワクチン接種を行ってください

5.  造血幹細胞移植あるいはCAR-T療法などB細胞機能が極度低下する治療を受けた患者さんは治療から3か月あけることが望ましいです。


6.  血液腫瘍患者さんおいてワクチン接種による抗体獲得率は一般の人々より低いです。しかし2回打てばそれなりの確率にはなります。

7.  血小板数の少ない患者さんでは、注射部位の出血を予防するために、細い針での接種、10分間の圧迫止血、注射部位の冷却を心掛けましょう。また万一のことを考え利き腕とは逆の腕に接種してもらいましょう。


8.  アナフィラキシーの既往のある患者さんは別途相談が必要です。

9.  ワクチン接種したとしても引き続き、マスク、ソーシャルディスタンスなどの感染予防行動は継続しましょう。

 特別な配慮が必要なこともありますので、最終的な判断は主治医とよくご相談ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?