統合失調症の私が伝えたい3つの事

昨日は、嬉しいことが二つありました。一つ目は、メモ書きのClubhouseで知り合った方と、4月30日に京都でお会いできるようになったことです。聡明で、すごく素敵な方です。とても、とても楽しみです。

二つ目は、がん闘病中の育ての母と、電話で話したことです。大学生と高校生の私の甥っ子たちが、「ばあば、絶対に癌になんか負けないで」と、東京から西宮の病院に向かうときに、送り出したそうです。「だから、どんなに治療が辛くても、絶対に負けない」と、母は言いました。本当に強い人だと思います。母とは、28日か29日に京都で会います。5年ぶりに会います。

少し長くなります。

私は、統合失調症です。でも、介護施設で働いています。オーバードラッグによる自殺未遂も経験して、本当にどん底を味わいました。そんな私が、一人暮らしをして、働いて、そして、出版オーディションにエントリーすることができました。思い悩んで、精神的にまいっている人に向けて、そしてそんな人たちを支えておられる方に、3つの事をお伝えしたいです。

まず一つ目。統合失調症は、約100人に一人がかかる病気で、決して珍しい病気ではないということです。アルツハイマー患者の方よりも多い患者数です。でも、統合失調症患者やその家族は、なかなか病気の事を自己開示できずにいます。偏見や差別が怖いと思っています。そんな偏見や差別をなくすためには、当事者自身が声を上げることが必要なのではないかと思って、本を出版したいと思いました。

二つ目。心許せる人に、SOSを発信することの大切さです。
発病した時、私は、実家の家族の事で悩んでいました。そしてその悩み事を誰にも相談できずにいました。SOS を発信できずに、一人で悩んでいました。するとある日、頭の中が、まるで炭酸水がシュワッと噴き出すように真っ白になりました。脳がオーバーヒートしたのです。その瞬間はなぜか、私は嬉しかったです。「もう考えなくてもいいだ」「もう悩まなくてもいいんだ」と思ったからです。それくらいに一人で考え込んでいました。
脳がオーバーヒートする前に、発病する前に、誰かに相談できていれば、と悔やんでいます。
心が壊れる前にもっと何かできることがなかったかな?と思っています。

心の病気を抱えている人やそれを支えておられるご家族の方。悩みを一人で抱え込まないでください。自分を理解してくれる人を相談できる人を見つけてください。自分を理解して、受け入れてくれる場を探してください。そして、「助けて!」と声を上げてください。あなたを支えてくれる人は、きっといます。SOSを発信することは、本当に大切です。

三つ目にお伝えしたいことは、「オープン就労を目指そう」ということです。
統合失調症を始め、心の病を抱えている人にとっては、働くということは高くて、大きなハードルです。でも私はずっと働きたいと思っていました。昨年、介護職員初任者研修を修了して、今現在、オープン就労で、介護施設で働いています。

心の病を抱えている人の働き方には、二つあります。障害をオープンにして働く「オープン就労」と隠して働く「クローズ就労」です。自分自身の経験から、私は、オープン就労をお勧めします。「病気がばれたらどうしよう?」とびくびくしないでいいからです。体調が悪い時などへの配慮もしてもらいやすいです。また、雇っておられる側も、障碍者に門戸を開き、チャンスを与えるという、社会的な意義があります。

なぜ、私は働きたいと思ったのか?それは、お金のためというのもありますが、誰かに必要とされているということを感じられるということ、そして、社会とつながっているという「自己受容感」を得たかったからです。

もちろん仕事だから、大変なこともあります。そんな時には、クリニックのスタッフさんだったり、友達だったりに話を聞いてもらっています。心の病を抱えている人にとって、自分を理解してくれる人を持つということは、とても大切です。話を聞いてもらっても、その仕事が辛くて、再び心が折れてしまいそうになったら・・・休んだり、辞めたりしてもいいと思います。「逃げる」ということは、けっして悪いことではないと思います。

統合失調症でも、心の病があっても、周りのサポートがあれば、働けるのです。支援してくれる人は、たくさんいるのです。そして、利用できる社会資源は、たくさんあるのです。
私が利用した、社会資源などについても、本には詳しく書いています
就労に向けて、私が踏んだステップをお伝えして、「自分も働けるかも!」と、当事者の方が思ってくださる本を出版したいと思っています。

「統合失調症は特別な病気ではないということ」、「SOSを発信することの大切さ」、そして、「オープン就労で、働こう!」という3つの事を主に伝えたいです。

私の本を読んで、思い悩み、生きづらさを抱えている人が、一歩踏みだそうと思ってくださったら、とても嬉しいです。そして、周囲の人には、統合失調症をはじめとする心の病に対する理解を深めて頂けたら、嬉しいです。是非、出版のチャンスを下さい。






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