統合失調症でも幸せに生きられるVol 22

統合失調症ってどんな病気?

私は統合失調症です。最初は鬱病と診断されていました。統合失調症と診断されて、約18年になります。では、そもそも統合失調症とは、どのような病気なのでしょう?

統合失調症は、幻覚や妄想を特徴とする精神疾患の一つです。以前は「精神分裂病」という名で呼ばれていました。「人格が崩壊する怖い病気」「一生治らない悲惨な病気」という、誤解と偏見に満ちたイメージが抱かれがちでした。

2002年に、「精神分裂病」は「統合失調症」という病名に正式に変更されました。感情や思考と言った精神活動をまとめる(統合)能力に、一時的に変調をきたした(失調症)状態です。近年は病気の研究が進み、早期に適切な治療を受ければ、症状が回復することも可能であることが分かってきました。薬物療法をはじめとする治療法も進歩して、社会復帰を果たす患者さんも格段に増えてきました。

統合失調症にあ、陽性症状と、陰性症状があります。陽性症状は、幻覚・幻聴や妄想といった症状です。陰性症状は、感情の平板化や意欲や集中力の低下と言った症状です。

発病した時、私は、幻聴・幻覚と妄想を経験しました。元夫が僧侶だったので、私は、お寺で暮らしていました。また、自宅で児童英会話教室を開いていました。発病したときには、まず妄想の症状が出ました。「日本の英語教育を何とかしなければ‼」といったものです。それから、ほとんど眠らずに、英語教室の仕事をしていました。すると、ある日、幻聴が聞こえだしました。意味のある言葉ではなくて、「ピキピキ」「バシバシ」といった音です。そして、金色の光が見えました。金色の光は私を追いかけてくるのです。怖かったです。しばらくして、夫に連れられて精神科を受診しました。告げられた病気は、鬱病でした。後に、統合失調症と診断されました。

陰性症状は、あまりなかったように思います。でも意欲の低下はあった気がします。

私は、計5回精神科に入退院を繰り返しました。5回も入院したのは、勝手に断薬をしたからです。そのことを私は後悔しています。家族にとても迷惑をかけたからです。統合失調症の再発の原因として、最も多くみられるのは、「服薬の中断」です。症状が治まっても、薬は続ける必要があります。

治療を効果的なものにするためには、主治医との信頼関係が大切です。薬の事など、自分の気持ちを伝えられることが必要です。もし、主治医とうまくコミュニケ―ションが取れないと感じたら、思い切って、主治医をかわる事も必要だと思います。

そして、デイケアやナイトケアを利用することもお勧めします。デイケアでは、様々なプログラムがあります。また、ナイトケアでは、栄養のバランスのとれた食事を提供してくれたりもします。デイケアやナイトケアを利用して、少しずつ自信をとりもどし、人間関係の構築を学ぶことができます。病気になると孤独になりがちですが、それも解消できます。

私は、統合失調症ですが、現在は、介護施設で働いています。オープン就労です。現在は、幻聴も幻覚も妄想もありません。通院はずっと続けていて、薬も服用しています。きちんと治療を受ければ、就労できるまでに回復するのです。

私の通っているクリニックのデイケアでは、担当のスタッフさんがつきます。私は毎週、担当のスタッフさんと面談をしています。これが、私にとっては、とてもありがたいです。仕事のことや家族の事など、色々と相談に乗ってもらっています。

諦めないこと。それが何より大切です。最悪な状態は、いつまでも続かないのです。

自分が、あるいは大切な家族が、統合失調症と診断されたら、絶望的な気持ちになると思います。でも信じてください。きちんと治療を受ければ、必ずよくなるのです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


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