諸行無常

昨日の夜遅くに、石垣島に住む伯父からLINEがありました。仕事の疲れもあって、寝入ってしまってい気づかず、今朝になってメッセージを開きました。石垣島の私の生母が、糖尿病が悪化して、緊急入院したという知らせでした。生母の写真も送ってくれていました。痩せこけて、年老いた生母の姿に、衝撃を受けました。生母とは4年会っていません。電話では話していて、弱っていたことはわかっていたのですが、ここまでだとは、正直思っていませんでした。仕事もあるし、なかなか飛んでいける距離じゃないし、なんだか動揺しています。

生母と書きましたが、私には、生みの母と育ての母がいます。私が10歳の時に、両親が離婚して、私は父に引き取られました。その父の再婚相手が、育ての母です。

その育ての母も、今、癌の闘病中です。育ての母も東京で暮らしていて、長い間会っていません。この間やっと、電話で話すことができました。育ての母は、強い人です。「癌になってしまったものは、仕方ない。頑張って治療を受ける」と、予想していたよりずっとハリのある声で、言ってくれました。「抗がん剤の治療が終わったら、会って、ご飯でも食べよう。それを楽しみに頑張る」と言ってくれました。

生みの母と、育ての母。そして、親代わりに私の面倒を見てくれてた。父の姉に当たる伯母。二人といいましたが、私には三人の母がいると言った方がいいかもしれません。その皆が、老いています。伯母はありがたいことに今のところ元気ですが、高齢だし、いつ何が起こるかわかりません。悲しいけれど、三人の母と別れる日がいずれ来るのだということを覚悟しなければいけません。

カウンセリング心理学の大家、國分康孝氏は、「親にしてもらったこと、して返したこと、迷惑かけたことを思い返しなさい」と言っておられました。私は、三人の母に、本当にたくさんの事をしてもらいました。いっぱい迷惑をかけました。して返したことは、何だろう?

人は皆、老います。それは避けられません。私も一日一日、老いていっています。出逢いがあれば、別れがある。それは避けられないことです。全てのものは移ろいます。仏教でいう諸行無常です。咲き誇った桜の花も散ります。同じままのものなんてないのです。

生れてきて、やがて灰になってしまう私たち。でもその命が生まれるまでには、たくさんの奇跡が重なっているのです。だからこそ生かされている、この一瞬一瞬を大切に生きていくべきなのだと思います。頂いた縁を大切にして生きていかなければならないのだと思います。

三人の母だけでなく、大切に思っている人たちの話をしっかり聞いて、私にできることをやっていく。縁に感謝して生きていきたいです。

私は、本を出版したいと思い、第2回全国出版オーディションにエントリーしています。三人の母の事も書いています。私は、統合失調症ですが、介護施設で働いています。仕事には、とてもやりがいを感じています。

私がここまで回復したのは、社会の皆さんと繋がって、サポートをもらいながら、自分自身も努力したからです。病気の当事者の方には、励みとなるメッセージをお伝えしたいと思っています。周囲の方には、統合失調症に対する理解をより深めてもらうという活動をしています。応援よろしくお願いいたします。



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