神の聖霊? そんなものない!

『人が人を支配してこれに害を及ぼした」

こんな聖句があった気がする。そう、啓示の書だった気がする。

それは組織が『世』っていう世界に起きるのだと、耳にタコができるほど聞いたから覚えた聖句だ。

確かに世界情勢を見ても、会社組織をみても、家庭内でさえ見られる支配。

神の組織にはあるはずない。霊的パラダイスだものそんな事はありえない。

私はずっと信じていた。長老が聖霊によって選ばれているからそんな事はないと信じていた。

───奉仕場所から区域をもらって四人で移動する時、それは起きた。

長老が長老の悪口を言っていた。私は苦笑いをしながら、隣の姉妹の顔をのぞく。困った顔をしているのかと思いきや、隣の姉妹は長老の問いかけに頷く。

運転している長老はルームミラーで私たちをのぞく。頷いた姉妹の顔に満足そうだった。

奉仕区域に着いた。私は長老と家から家を周ることになった。二人一組である。

誰と組んでも全く苦にならなかったが、長老は私にポツリと言う。

「あの姉妹苦手なんです」人間だもの、苦手な人もいる。そこはすぐに理解できたが、その苦手な理由を聞かされて唖然とする。

自分の言う事は聞かないが他の長老の言う事には従順であると。

それが気に入らなかったんだろう。ずっとその姉妹と他の長老の悪口。

長老は『テモテへの手紙』『テトスの手紙』に基づいて、それに合った特質を示しているかどうかで決められると思っていた私は驚いた。

二枚舌。誰の事も悪く言わないのではないか! 全く逆だ。

もしかして、聖霊に導かれて選ばれたのではないかもしれない。

私は、少し失望しながら帰宅後パソコンを開く。

ものみの塔の過去記事を読み漁るためだ。

そこには会長だったラザフォード兄弟の白黒写真と会衆内の姉妹に訴えられていたという記事があった。

誰にも確認出来ず、ラザフォードだけですね検索をする。

あるブログ記事が目に止まる。

ラザフォード兄弟の黒歴史。

彼はアルコール中毒であり、宣教者として他国に伝道に行くときは愛人を連れて行っていた事など色々な黒歴史である。

やはり、聖霊などで選ばれていたわけではない。

完璧な人間などいない。不完全なのは理解できる。

モリス兄弟もアルコール依存症ではないかという記事もあった。

日曜日の午前中、スーパーマーケットでマッカランを買っている写真が流出している。モリス兄弟はハルマゲンドンなんて来ない事を知っているゆえに、けれど全世界のエホバの証人を騙し続けなかればいけないゆえに、自暴自棄になっているに違いないと思った。

今更、全てを明らかにしたら、自分たちが生きていけないのである。

腕にはロレックスの時計が光輝いている。

情報社会だから、神の聖霊などないという事実をリアルタイムで見ることができる。

私の覚醒は進んでいった。




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