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自律神経と肌荒れ

美肌、健康、睡眠、ストレス、ダイエット関係の本や雑誌、インターネット記事を読むと、どこにでも現れる「自律神経を整えよう」の文字。

はてさて、自律神経ってなんぞや。
肌荒れとどう関係するのさ。
鍼灸との関係は?そう、本日はそんなお話し。

そもそも、自律神経ってなんぞやってことから。

自律神経とは簡単に言うと、呼吸や心臓の拍動、食べた物の消化みたいな事を、自分で、あ、やらなくちゃ。とか考えなくても勝手にやってくれる便利な機能のことです。
この自律神経には交感神経と副交感神経と言う2つの種類があって、交感神経は活動する時に活発になり、副交感神経は休んでいる時に活発になります。この2つの神経が上手くバランスをとって働くことで、私たちは日々の生活を送ることができるのです。

さて、この自律神経はどう肌荒れと関係するのでしょう。

現代人はストレスまみれの生活をしている人がほとんどですが、ストレスが加わると自律神経の1つ、交感神経が優位になります。つまりストレスと戦うために交感神経が働き過ぎちゃうわけですね。

交感神経が優位になると、困ったことに皮脂分泌が過剰になります。

皮脂分泌が過剰になるとストレスに対抗できるなんて、そんなことあるかいって感じですが、交感神経が優位になると分泌されるアドレナリンというホルモンに皮脂の分泌を促進させる作用があるんですね。
皮脂分泌が増えればその分毛穴の皮脂が詰まる可能性も出てくるわけで、ニキビができる可能性も爆上がりなわけです。

とても迷惑ですね。

そういえば、アドレナリンて脂肪の分解を促進して血中の遊離脂肪酸を増加させるんだよね、、、あれ、遊離脂肪酸って何だっけって人は過去記事参照してくださいな ↓


さて、では鍼をすることで、どう自律神経を整えていくのでしょう。

自律神経反射の1つ、「体性ー内臓反射」を利用します。

皮膚や粘膜、関節などからの感覚のこと「体性感覚」と言います。
例えば、寒い!と感じると、じゃあ暖房をつけよう、とかコートを着ようとか私たちは考えますよね。
その意識の下で自律神経は、体温が逃げていかないように血管を収縮させたり、立毛筋を収縮させることで鳥肌を立てたりする「体性ー内臓反射」を発動し、身体を守ってくれているわけです。

では、鍼をするとどうなるのでしょう。

皮膚からの刺激で鍼をされた!という意識の下で、様々な「体性ー内臓反射」が起こります。
例えば、オキシトシンと呼ばれる愛情、幸せホルモンが増えたり、皮膚血管を拡張させたり、骨格筋や神経の血流を増加させたりします。
また、交感神経の過度な活動を抑制し、自律神経のバランスを整えます。交感神経が優位では無くなることで、アドレナリン血中濃度も低下傾向を示すのです。
ラットの実験ですが、鍼で「サイトカインストーム」と呼ばれる炎症の暴走も沈静化してくれることが分かっています。

鍼灸の可能性って凄いですね(^^)/

でも、いつでも忘れないでいて欲しいことがあります。
鍼灸は何でも治せる万能薬ではありません。

鍼灸は人が本来持っている自然治癒力に働きかけて、肌荒れを起きにくくしたり、免疫力を高めたり、内臓や身体の不調を改善したりするものです。
食習慣、運動、睡眠、ストレス、日々の生活の改善無しに無条件で悩みを解決できるものではないのです。

この記事を読むのをきっかけに、鍼灸ではこんなことができるんだ!と言う発見と、ストレスがもたらす肌荒れへの影響を知って、自分の生活を見つめ直すきっかけに繋がってくれたら嬉しいと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

下記、参考文献

Somatotopic Organization and Intensity Dependence in Driving Distinct NPY-Expressing Sympathetic Pathways by Electroacupuncture
Open ArchivePublished:August 12, 2020DOI:https://doi.org/10.1016/j.neuron.2020.07.015

鍼治療の細胞内サイトカインおよび血中ホルモンへの影響
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cytometryresearch/20/1/20_D-10-00012/_pdf/-char/ja

鍼灸経験30年とゆるぎ石との出会い

https://dbarchive.biosciencedbc.jp/yokou/pdf/2002/200206971820001.pdf


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