レッチリに会いたくなった話

 先日、アメリカのスーパーロックバンド「RED HOT CHILLI PEPPERS」の東京ドーム2DAYSが公式発表されました。

 昼休み、一人Xを見て「えっ!!」と思わず声が出て、辺りに「すいません、ちょっとびっくりして」と頭を下げたのですが、こんなにドンピシャなタイミングってあるのかとすごく驚きました。

 チバさんが亡くなって、改めて私は本当に好きな人達にちゃんと会いに行っているのか、もしまたこんなことが起きても後悔しないくらいチャレンジしてきたのか、と考えた時、あとはレッチリだけだなと思い至ったところだったのです。

 ただ、去年レッチリが来日公演をした時は、あまり昔の曲はやってくれなかったと聞いていたので、「Californication」~「By the Way」~「Stadium Arcadium」辺りをよく聴いていて、ジョン・フルシアンテが大好きな私は、もうその辺りの曲をジョンのギターで、それも日本で聴けることはないのかもなと思っていたところ、今回の東京ドームはベストヒット満載!なんて書いてあって、「つまらない人間になるなよ 東京ドームで遊ぼう!」ってチャドのメッセージも付いていて「……最高かよ」と顔がニコニコしてしまいました。

 あぁ~~!
 でも、チケットサイト全然繋がらなくて最初の先行販売5/18分は終わってしまいました。
 地方民の私、行くなら夫と行きたいし、でも子ども預けるのにも実家ははるか遠く……行くなら十万単位でお金がかかる。色々段取り考えると5/18しか選択肢がない……。地方住まいはこういう時、本当につらい。

 行きたい!……とかすかな希望は持っているものの、かなり厳しそうな現状です。

 さて、そんな私とレッチリとの出会いは今から24年前。

 中学生だった私は、当時インターネットもSNSも無く、音楽の情報はラジオか雑誌から得るしかなくて、本当に隅から隅まで音楽雑誌を読んでいた時期がありました。

 そこで知ったのがレッド・ホット・チリ・ペッパーズ。
 すぐに近所のツタヤでアルバム「カリフォルニケイション」を買い、一曲目「Around the World」を聴いた時の衝撃。そして歌詞カードに写っていた何ともイカツいアメリカ人のお兄さんたち(笑)
 ロックでファンクで、だけどなんか切ない、もの悲しいメロディ。もちろん英語詞だから何言ってるのか全然分からないけど「めちゃくちゃかっけー!!」と心を撃ち抜かれたのです。

 本当なら?というか、そういう女子中学生が歩む道って大抵、音楽オタクの道一本のような気もするのですが、私の場合はそこから真っ暗な高校生活へと突入してしまうので、それきり音楽の扉がたくさん開くようになるまでさらに数年がかかってしまうことになるのですが。

 ただ、15歳というあのタイミングでレッチリに出会えたこと。
 ちゃんとその手を引き寄せたこと。
 あの時の私、本当に偉い!と褒めてあげたい。

 私の音楽史をたどる時、初めて買った洋楽のCDはレッチリなんて言えるの最高でしかありません。

 どんな音楽聞いてるの?と聞かれて、「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」とどや顔で言って、「???」って顔をされるような、そんな痛いマウント取るしかなかった私も、カラオケに行ってアイドルの歌が一曲も歌えなくてノリ悪いって嫌がられた私も、今となっちゃ可愛いやつだよと頭を撫でてあげたくなる。

 友達や環境に恵まれるようになるまで時間はかかったけど、ちゃんと「これがカッコいい!」と自信を持って言えるものがある方が絶対いい。
 
 あの時は、つらかったけどね。

 そして、年末からずっとチバさんの楽曲しか聴いてなくて、他の何をも受け付けない感じだったけど、恐る恐る聴いてみた「Can’t Stop」がかっこよすぎて、ますますレッチリに会いたくなってしまいました!

 行けるのかまだ全然分からないけど、自分の中に「行きたい!」と思える胸躍るライブがまだあることに少し嬉しくもなりました。

 いくつまで、こんな思いで生きることができるんだろう。
 もしかして、ずっと変わらないのかもしれません。

 ある程度の年になったら、おもちゃは捨てなさい、漫画もやめなさいと言われて育ってきたけど、私はずっと音楽が好きなまま、ツタヤへドキドキしながら走ってCDを買いに行ったあの日のまま、捨てたくないものは捨てずに、大事に持っていていいのかもしれない。

 だってそこに、ずっと変わらず「遊ぼうぜ!」と言ってくれるアンソニーが、フリーが、ジョンが、チャドが、かっこよく居続けてくれるのだから。

 そう思わずにはいられません。

 本当、行けたらいいなぁ~~!!!

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