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大工とプログラマー

以前に「土建屋とプログラマー」という記事を書きました。

本日は「大工とプログラマー」の状況も似ている!
そんな話を書いていきたいと思います。

あっ。
ちなみに私の祖父は建築会社の経営者で若い頃は大工さんでした(笑
今は引退して不動産運用業のみを行っておりますが、若い頃は私も随分祖父の会社の作業場で木組み遊びをしました。

基本的な作業は同じ

大工とプログラマーは、モノをつくるという時点で共通点がたくさんあります。
設計や仕様書にしたがって、モノをつくりあげていく。
そして、問題があれば設計や仕様書をつくった人と相談しながら作業を進めていく。
最終的にはモノができあがる。
こういったことについては、モノをつくる仕事は全て一緒ですね。
今回はこの辺りの話は割愛させていただきます(笑

時代と共に作業の難易度はどんどん下がっていく

プログラマーの作業はどんどん楽になっています。
先人達が作り上げた土台をコピーして利用することができるからです。
プログラムのパーツをゼロからつくりあげなくても、簡単に実現するためのフレームワーク、モジュール、ライブラリなどがたくさん存在します。
その使い方さえ覚えてしまえば、意外と簡単にモノができあがっていくのです。

しかし、それは大工も同じです。
ユニット化されたパーツを購入することができます。
規格化された材料を組み合わせることで、ゼロから材料に加工を入れる必要もありません。
材料だって、現場に直接届くこともあるでしょう。
こういったことは、大工さんの工数をとてつもなく減らします。
工具の種類、数だって減るでしょう。
材料や工具を積む車だって、コンパクトになるはずです。

大工さんの工法も随分変わってきているようです。
大手メーカーなんかは工法にも効率化を進めています。
最短の時間で家を建てる材料、工具、工法を常に充実させてきているのです。

よく昔ながらの大工さんがこう言います。
「今の家は小僧でも建てられる」
家を建てる難易度が下がってきているということでしょう。
もちろん、これこそが先人達が積み上げてきた資産なのですが、なぜか淋しそうに言います。

一方、プログラマーでもこう言う人がいます。
「今のプログラミングなんてパズルだよ」
これもまたプログラミングの難易度が下がってきているということでしょう。
そして、もちろん、先人達がパズルのパーツのようにプログラミングできる武器をつくってきたからです。
これもまた淋しそうにそう言います。

簡単にできることは悪いことなのか?

全くそんなことはないと思います。
良いことです。
しかし、一点だけ気をつけなければいけないことがあると思っています。

【簡単な作業しかできない人になってはいけない】

熟練の大工さんや熟練のプログラマーが淋しい思いをしているのはここだと思うのです。

大工さんで言えば、大手ハウスメーカーの工法しか作業ができない人になってしまうのはとてもリスクが高いことです。
その簡単な作業をしていく限り、他の大工さんとの競争力が落ちてしまいます。
そうなると、価格合戦になってしまうのです。
独立しても下請体質な上に価格合戦のレッド―オーシャンへ飛び込むことになるでしょう。
ズバッと言ってしまうと簡単な作業ができる人はたくさんいるのです。

オブジェクトを使う事しかできないプログラマー

プログラマーの中には、オブジェクトを使うことしかできない人が増えていると思います。
流行りのフレームワークに乗っかって、オブジェクトの使い方を覚えて、その中でできる作業しかしない。
これはとてもリスクのあることです。
フレームワークを自分自身で拡張しようという発想がない。

具体的に言ってしまえば、クラスを設計することができない。
クラスはどこかから探してくるものだと思っている。
自分でつくることはしないし、つくり方なんて知らない。
そんな感じです。

正直、それでもそこそこ仕事はできてしまう。
だから、そういった人が増えてくるのは当然です。
しかし、そこで止まってしまうと将来に苦労することは明らかです。

時代を前に進めていくのは、熟練の職人

私は、熟練の職人なくてして時代は進んで行かないと思っています。
どうすれば効率良くクオリティーの高い家をつくることができるのかを知っているのは熟練の職人です。
それを体系化するのはまた別のプロかもしれませんが、少なくとも熟練の職人の経験なくして、新しい工法は生まれてこないと思っています。

プログラマーだってそうです。
優秀なフレームワークは、熟練の職人が作り上げるものです。
その達人が誰にも簡単に扱えるモノをつくってくれるから、簡単に仕事ができる人がいるのです。

だから、モノをつくる仕事をする以上、一度は熟練の職人を目指さなければいけません。
生涯一職人を目指すかどうかが別として、一度は職人を目指して、簡単な作業を超えた本質を突き詰めるべきだと思います。
簡単な作業しかできない人の仕事は、どんどん減っていきます。
そして、新しい簡単な作業が生まれてきます。
そのスパイラルの中に入ると年はとっていきますが、良い作業を任せられることがなくなっていきます。
そして、給料もなかなか上がらないでしょう(笑

さて、本日はこの辺で。
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それではまた!

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★私、オーシマが開発したプログラミング教材です(笑

レトロゲームをつくることによってプログラミングの根底を学ぶことができます。
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