つぶ貝から学ぶ
先日の朝10時前。久しぶりに築地の方面へ行ったので、コロナ期間中に大変お世話になったウニで有名な仲卸の丸集さん(お世話になったのは大田市場内の本店ですが)の、一般の人も大丈夫な築地のお店に行ってみました。
いつもFacebookに美味しそうなウニやら、各種お魚、黒トリュフまで、いろいろアップされているので、一度行ってみたいと思っていたのでした。
一般人OKと言っても、朝早い時間は、場外もプロの皆さんのお邪魔になってはいけないので、市場に行くにはその辺りに気遣いも必要かなと思います。
そして、買ったのは、この立派なつぶ貝。
こんなに立派で新鮮なものは、近所のお店では買えません。やはりプロのお店です。大きいし、美しい。
新鮮だから、お刺身かな、煮貝も美味しそう…と思ったのですが、「貝を捌くための注意事項を念のため…」というお告げを感じ、調べてみることにしました。
そして、この立派なマツブ(エゾボラ)をはじめとする、エゾボラ類には、「唾液腺(通称:アブラ)」に、「テトラミン」という毒が含まれていることを知りました!勘が冴えていて良かった。
札幌市のウェブサイトによれば、「食べてから30分くらいで、物が二重に見えるなどの視覚異常やめまい、頭痛、船酔い感などが現れます。これまで死亡例はなく、通常数時間で回復しますが、人によっては症状が重くなることもあります。」とあります。これは、知らないで食べたら、キツイですね。
唾液腺自体を取り出すのか…。でも、実はそこに至るまでが、結構大変でした。
まず、普通に引っ張ってもびくともしません。そこでYouTubeにきいてみました。
料理人Aさんは、「殻を全部壊します」→これは、私でもできる。
料理人Bさんは、「マイナスドライバーでココに穴を開けて、貝柱を剥がします」→これは、ちょっとコツが必要だけれど、刺し盛りに貝殻があるといいかな?
ということで、両方の方法を実験することに。
Aさん方式は、比較的簡単にできました。貝殻の先の方まで、ぎっしり身が詰まっているので、それもスルっと取れました。でも、まな板が凹んでしまいました。
Bさん方式は、穴は案外簡単に開いたのですが、「貝柱、どこ?」とグリグリやっていたところ、肝が壊れてしまいました。何とか、取れたのですが、多分、途中で切れたと思われ、Aさん方式の身の長さとは明らかに違います。
↑↑↑Bさん方式の動画です。
そして、問題の脂肪腺。これはYouTubeが分かりやすく、すぐに見つかって取れました。貝が大きいので、脂肪腺も大きかったです。
そして、食べられない部分を取り除き、1つは煮て、1つは刺身で食べました。
今まで、食べたことの無いくらい、とーっても美味しかったです。
でも、ふと思ったのです。やはりこういうプロが使うような特上の食材は、やはりプロの手でもっともっと美味しく料理されたかったんだろうな…と。
素人の私ですら、美味しくいただけたということは、プロのお店で食べたら、もっと絶対に美味しく食べられたのに。貝たちのポテンシャルを生かし切れたのだろうか?という疑問と反省が出てきました。
お店でさりげなく出てくる一皿のその裏には、知識と技が隠されているのだと、改めて知ることができました。ということで、勘弁してもらいたいと思います。
つぶ貝さん、ありがとう。美味しくいただきました。
教訓:素材がプロなら、技もプロ。
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