見出し画像

3D映像が見たくて、2021年に3Dテレビを中古で4台も買った話 #買ってよかったもの

表題のとおりですが、最近ちょっと3D沼にハマってしまったので、ご新規さんを増やすために自分の経験をシェアしたいと思います。

そもそも、3Dにハマったきっかけはこれでした。


 ROBAさん@vjroba のポータルグラフ


こちらを見学させていただいたのですが、自分の視点を動かすと像が変わる、という体験がすごくて、さらに大画面3Dモードでは「え?そこにキャラクーいますよね?」というレベルの体験ができたので「自分でもやってみたい!」と思ってまず3Dのプロジェクター(中古品)を購入したりしました。


上記で使っているのは、ROBAさんも使っていたのと同じもので、「 オプトマ EH320UST」という機種になります。
(初心者はセンパイの事例をトレースするのが大事、という自分のポリシーによる)

Optoma オプトマ EH320UST 明るい4000ルーメン・超短焦点 フルHD DLPプロジェクター

Amazonだとこちら。

新品だと17万円ほどするのですが、私は中古品で10万円ほどで購入しました。なお、プロジェクターは現在でもこのように3D機能の付いたものが新品で比較的簡単に入手可能なようです。

なおプロジェクターによる3Dでは、DLP-Link方式という3Dメガネが一般的なようです。
ちなみに純正品のメガネは Optoma「3Dアクティブグラス ZD302」なのですが、楽天で調べたら¥13,200とかになっててちょっと高いな、と。

で、調べてみたらDLP-Link方式で安いのがあったので私はこちらの商品をAmazonで購入しました。

Somnus258 DLP-Link 3Dメガネ GL200 充電式 【各社3Dプロジェクター用】 90Hz-144Hz対応 アクティブシャッター

純正品と比べると相当安い。やや不安はありましたが、DLP-Link方式は比較的ポピュラーな規格らしく、使ってみたらちゃんと使えました。

ということで、一般的には、現時点で3D映画を自宅で3Dで見るなら、プロジェクター1択ですよ!、となります。
ここから先は、もう少しチャレンジャー向けです。

3Dテレビを入手するには?

で、ROBAさんのご自宅には3Dテレビもあったのですが、見せていただいたら、こちらもなかなか良い感じだったのですよね。

見てたら、3Dテレビも欲しくなってしまったと。3Dプロジェクタも、大画面で見れるのは悪くはないのですが、毎回設置は大変なので、研究室のなかに3Dテレビの複数画面環境を作ってみようか、とか思った次第です。
昔、1990年代に、複数のプロジェクタとシリコングラフィックス社のワークステーションを複数台連結して、数億円をかけて作られたCAVEというVR空間がありました。自分も97年頃、アルス・エレクトロニカなどで体験しましたがこれの簡易版を自分の研究室に作れるのは悪くないな、と。


3Dテレビ購入から10年がかりでキラーコンテンツを見つけた気がするのですが、5年遅かったでした。無念。

そうなんですよね。3Dテレビが廃れた原因は、コンテンツ提供が最終的にブルーレイの映画のみになったからだと思うのですが、今みたいに個人が3Dのモデルを扱ったり、それを見たいと思うケースが多ければ、もう少し
3Dディスプレイにニーズある気もするんですよね。(ソニーの空間再現ディスプレイ ELF-SR1みたいに)


そこで、ポータルグラフと一緒に使う前提で3Dテレビをなんとか入手したいと思い、少し調べてみたら、3D対応テレビはすでに数年前、2017年頃に絶滅してました。なんてこった。



 パナソニック、シャープ、LG、東芝、ソニーなど、2017年夏商戦向けのテレビが各社から出そろった。シャープを除く4社からは有機ELテレビが登場し、画質や音質、機能が充実したプレミアム4Kテレビに力を入れているが、一方でほぼ消滅した機能もある。その代表例が「3D」だ。上記5社の現行テレビラインナップを見ると、パナソニック、東芝、LGにはすでに3D対応製品はなく、ソニーは液晶フラッグシップの「BRAVIA Z9Dシリーズ」のみ。シャープは「LC-55XD45」、「LC-80XU30」、「LC-70XG35」、「LC-60XD35D」の4製品が3D対応となる。


ということで、2021年現在、新品の3Dテレビを購入することは不可能なのですが、実際に入手して、自宅で3Dテレビで3D映画をブルーレイとか見てると「これすごい技術じゃん!もう体験できないなんてもったいない!」と思ってしまうのですよ。特に昔3Dで見た映画の数々を(初代パシフィック・リムとか!)、自宅で追体験できるのは、相当良い体験です。しかもこれ、昔はすべての環境を構築するのに30万円以上はかかったと思うのですが(そしてたぶん品質は今より低かった)、今だったら5万円〜8万円程度で3Dテレビ最終期:ファイナルバージョンの環境構築ができます。そこで、2021年の今、3Dテレビを導入したい!という無駄に勇気あるチャレンジャーのために自分の経験に基づく記事を書いてみたいと思います。

チャレンジジャーに向いている人は以下のような人です。
・テレビを買い換えようかな、とか考えている人。
・でもまあ新品のテレビじゃなくてもいいかな、とか思っている人
・劇場で3D映画を見て、3D映画割と好き、とか思っていた人。
・失われつつある枯れた技術の保護に興味がある人。

・ヤフオクやメルカリで多少失敗してもめげない人。<重要

なお、自分は展示に使う可能性もあるので、結果的にメルカリで1台、ヤフオクで3台の3Dテレビを買ってしまいました。(自宅用1台、研究室設置3台。なお全部自腹)
馬鹿なのか?正直我ながらどうかしていると思います。でも、実際の所、今これを逃すと、3Dテレビは今後入手がますます困難になるんですよね…どう考えても(言い訳)。

なお、単純に1セット揃えるための総予算は5〜8万円くらいと思ってください。

廃れた原因考察と、機種選定


3Dテレビの販売されていた時期は2010年〜2016年の間の7年間くらい。実質的には11年〜15年の間とか。その間に販売されていたテレビのうち、高級機中心に1割位の大型テレビに3Dの機能が搭載されていました。
当時は、映画アバターのヒットやロンドンオリンピックとかで、「1080PのフルHDの次は3Dテレビだ!」とばかりに、高付加価値の一つとしてテレビに3D機能が搭載されてました。その3Dテレビはなんらかの方法で右目用と左目用の映像を送出する必要があるのですが、その方式がいくつかに別れていたり(大きくは高速で右目用と左目用を切り替える方式と、円偏光を使う方式)、それにより3Dメガネもいくつか方式があったりします。
まあそういう過去の分析は長くなるし先の記事にも書いてあるので割愛するとして、現在中古品を探そうとすると、当時発売された機種でどれにするか?が難題で、僕も機種選定で相当迷いました。が、いろいろ調べた結果「選択肢はもはやほとんどない」ということに気づきました。要するに、大事なことは下記の4点です。

(1)3DTVメガネの方式は、偏光を使うパッシブ方式一択。<超重要。後述。
(2)テレビの寿命を考えると、現実的なのは2014~2015年くらいの3Dテレビ最後期に発売された機種。
(3)パッシブ方式では縦の解像度が半分になることを考えると4Kパネル搭載機が望ましい。
(4)それに加え、現実的には購入先はヤフオクかメルカリになるので、弾数の多い(=売れた)製品が対象となる。

上記に基づき調べていくと、実質的に現在購入可能なのは、以下の2シリーズだ、というのが自分の結論でした。

・パナソニック VIERA 2015年モデル
 TH-49CX800( 49インチ)。他に55インチのTH-55CX800、60インチのTH-60CX800もあり。スタンド形状の違いで型番にNがついているのもあるが、実質商品は同じ。

・ソニー BRAVIA 2014年、15年モデル。
2015年モデル
KJ-65X9000C KJ-55X9000C (2015年発売の非常に薄型のモデルです。ただ2019年にバックライトに関する問題でリコールがかかっています)
2014年モデル
KD-55X8500B KD-49X8500B (KD-49X8500Bは現在も比較的弾数があるようです)

どれも2014年〜16年頃、テレビ用4Kパネルが出だした頃の高級機種です(最上位の次くらいの)。当時は49インチが25万円〜30万円、60インチは40万円以上で販売されていました。
価格コムなどの口コミを見ると、量販店での直販最終期は10〜20万円台で出てましたが、もうすでに新品はないでしょう。中古品はメルカリやヤフオクで型番入力で探せますが、現在4万円〜7万円(送料込みで)くらいで落札可能なようです。
なお、自分が買ったのは結果的にパナソニックのTH-49CX800 3台と TH-60CX800 1台です。ソニーのKD-49X8500Bは検討はしましたが買ってないです。完動品はメルカリなどで出てましたが、リコール入っていたので中古で買うのがやや不安だったせいもあります。あと、展示でマルチモニター映像で使うのであれば、同型番で揃えておくべきなので、最終的にパナソニックのCX800に絞ってウォッチし、出物があったら入札する、というやり方で複数台入手しました。(なお、個人的な印象では、メルカリのほうが個人が多く、値段は高めですがその分商品の品質は安定している印象。ヤフオクは安く入手できそうだったけど結構劣化してるかな?というのと、出品キャンセルを何回かくらいました)

なお、シャープ、東芝、LGも3Dテレビを作っていたのですが、<パッシブ方式>、<4Kパネル>、<2014年以降>という条件だと該当品は少なく、探せませんでした。特にパッシブ方式だとLGが2016年まで発売していたはずなのですが、どの機種なのかとかそれが4Kかとか購入可能なのか?とか調査しきれていないです。ここ詳しい人はLG製品探すと、もう少し安く入手できる可能性はあります。

ちなみにTH-55CX800 の発売時の記事です。まあ、正直今のテレビとそんなに大きな機能差はないのでは?とか思ってしまいました。


実際に自宅でも買って使ってますが、僕は全然これで満足です。

3Dブルーレイ再生機

簡単に入手可能なので簡単に書きますが、3D対応ブルーレイプレーヤーは現在は非常に廉価で新品購入可能です。私はLGのこちらを買いましたが、2万円オーバーの中級機だとたぶん3D対応しているのではないかと想像。(各自調べてください)

LG 4K Ultra HD ブルーレイプレーヤー  UBK90  4Kアップコンバート HDR10対応 Dolby Vision対応 Wi-Fi内蔵
Amazon タイムセールで¥15,800 でした。安い。4Kメディアプレーヤーとしても使えそうなんでもう一台買っとくか?くらいのコストパフォーマンスですね。(サイズは少し大きいですが)


肝心の3Dメガネ


そして、3Dを見るためには専用メガネが必要なのですが、結局こちらもヤフオクやメルカリでの入手になります。

ちょっとここで解説をすると、3Dテレビ用の3Dメガネは、もともとはパナソニックもソニーも、テレビ側は、左右の目用にあわせて用意した映像を交互に表示するフレームシーケンシャル方式、メガネはアクティブシャッター方式(120Hzでメガネのシャッターを左右交互に開閉する)を推してました。
ただ、この方式の弱点は「メガネ側に電池と制御回路が必要」「やや重くなる」「値段が高くなるから複数購入がきつい」「各メーカーで互換性が低い(後期では互換性はとられたがときすでに遅し)」「テレビとの同期がとれなくなることがたまにある」とかです。
自分としては、このへんのメガネの弱点が3Dテレビが廃れた原因なのではないか、とか思っています。

先程、条件で
(1)3DTVメガネの方式は、偏光を使うパッシブ方式一択。<超重要。後述。
と書きましたが、一番重要なのが「現在、まともに動作しそうなアクティブ方式の3Dメガネがほぼ存在しない」ということです。(だからパッシブ方式一択)

まず、メーカー純正品は販売されていませんし、ヤフオクやAmazon で純正品の在庫販売みても「買ったけど充電できませんでした!不良品です!」というコメントが目に付きます。
これはなにも出品者が騙しているわけではなく、「アクティブ方式のメガネの充電池が保管中に過放電になり、使えなくなった」ということだと想像します。つまりヤフオクやアマゾンにモノがあったとしても、その3Dメガネが使える保証はないし、使えたとしても不具合を起こす可能性はかなり高いわけです。アクティブ方式のメガネは、共通規格が一応策定されたものの(3D眼鏡の互換規格であるFull HD 3D Glassesというのがあったりする)

純正品と同等に動くかは結局調査しないとわからないですし、電池の関係で買った純正品が動く保証はないわけです。またボタン電池式の共通規格アクティブ方式メガネのルートアール社製の RV-3DGBT2B もあったりしますが、検索してみても、現在単品で入手するのは難しそうです。(安い、と思ったら中国製なんで送料が馬鹿高かったりする)

現在Amazonでは欠品中。

一方、パッシブ方式のメガネは、これ映画館で3Dを見るときのものとほぼ一緒のものです(掛け心地などの質はさすがに販売品のほうが快適)。
具体的には円偏光フィルターを使った3Dメガネなんですが、これは電池を使ってないから充電の必要もないし、なにより軽いし画面のちらつきもありません。また、展示用途だと複数揃える必要がありますが、そもそも偏光フィルターですから価格も安いですし、互換性も高いです。自分ではパナソニックとソニーの製品を両方ヤフオクで入手しましたが、両方とも普通に使えました。なお、メガネかけてる人には形状からSONYのほうがかけやすいかも。
型番を記載しておくと、
パナソニック 3Dグラス(パッシブ方式)
TY-EP3D20W

SONY 3Dメガネ(パッシブ方式)
TDG-500P

です。ヤフオクやメルカリで型番検索でどうぞ。

(ここから余談)じゃあなんで最初からパッシブ方式をソニーやパナソニックは推さなかったの?という疑問があると思いますが、パッシブ方式は実は縦の解像度が半分になってしまう(1920x1080が実質1920x540になってしまう)という大きな欠点があったのですが、4Kパネル時代になって、この欠点は実質的に解消されたので、私としては4Kパネルのパッシブ方式を推している次第です。(あと、3面とかの立体マルチモニター環境だと、パッシブ方式でないとマルチ画面にできない、という理由もあります)

で、3Dブルーレイはどうしたら良いの?

現在、Amazonで「3D ブルーレイ」で検索するといろいろ出てくるので、好きなのを買ってください。なお、中古品もかなり出ているので、値段を抑えたい人はそちらで買っても良いかも。
僕が買ったのは以下のコンテンツです。買ってよかった、と思ったのばかりです。


スパイダーマン:スパイダーバース IN 3D(初回生産限定) [Blu-ray]
劇場で見たのですが、これ、マジでアニメーションの革新だな、とか改めて思いました。

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 4K UHD MovieNEX [4K ULTRA HD+3D+ブルーレイ+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
実はまだ見てない。けど良いに決まっている、と思って。(劇場で見て、スター・ウォーズシリーズで一番好き、とか思った)

ヒックとドラゴン2 3枚組3D・2Dブルーレイ&DVD(初回生産限定)(紙製のスリーブケース付) [Blu-ray]
これもね、空中の飛ぶシーンが3Dで見ると凄く良いんですよ!ちなみにシリーズ3作のなかで唯一の3D化作品なはず。なのに日本で劇場公開されなかったという。

マッドマックス 怒りのデス・ロード 3D&2Dブルーレイセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
超名作。砂漠の景色がものすごく美しいです。劇場で3回見たけど家であと数回みたい。

アナと雪の女王 3D
これもね、いいんですよ。3Dアニメーションと3Dテレビは当然相性が良い。あと雪のパーティクルが3Dにすごく向く。そしてエンディングのアニメーションもすごく良い。

パシフィック・リム 3D & 2D ブルーレイセット (3枚組)(初回数量限定生産) [Blu-ray]
これも4DX版見るために名古屋まで行ったな・・・あと、若い世代に見せたい。

アバター 3Dブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
言わずとしれた3D映画ブームの最初の牽引役。今見てもCGI素晴らしいです。


自分がハマってしまった沼ですが、意外と気持ち良い沼だし、そこまでお金もかからない…(そのかわりヤフオクやメルカリのバクチの要素はある)ので、まあ気になる人はご検討いかがでしょうか?

割と楽しいと思いますよ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?