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「風の歌を、いつまでも」~ソングオブウインドのサードキャリア~

「風の歌を、いつまでも」~ソングオブウインドのサードキャリア~

皆さん、ソングオブウインドという馬を知っていますか?

エルコンドルパサーの産駒で、菊花賞をレコード勝ちし、わずか一年に満たない競走馬生活の中で輝かしい成績を残した馬として知られています。

そんな彼は若くして種牡馬となり、第二の馬生を送りました。

地方競馬の重賞勝ち馬等活躍馬を出し、アイファーソングという後継種牡馬を得て、7シーズンの種牡馬生活に終止符を打ち、功労馬として余生を送ることになりま

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重種馬のセカンドキャリア ~カイセキンザンの場合~

重種馬のセカンドキャリア ~カイセキンザンの場合~

京都の下鴨神社、糺の森付近で、毎週末(不定期)に洋式馬車を曳いている芦毛のお馬さんがいます。

馬の名前は「マウリ」

ハワイの言葉で「命」という意味です。

実はこの馬、元はばんえい競走馬でした。

競走馬名は「カイセキンザン」

4年間の競走生活で49戦10勝とそこそこの成績でしたが、明け5歳の春に競走馬登録抹消、馬肉市場のセリに出されることになってしまいました。いざセリで落としたのは食肉業者

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「重病み」ってなあに?

「重病み」ってなあに?

ホクショウマサルが連勝継続のまま「ばんえい記念」に挑戦し、3着に善戦してから数か月。

しばらく勝てないレースが続いていましたが、先日半年ぶりの勝利をおさめ、ばんえいファンのみならず、一般のネットニュースにも取り上げられるようになりました。

一流のばんえい競走馬が半年も勝てなかったので、スランプかと言われましたが、ばんえいファンの間では盛んに「重病み(おもやみ)」という言葉が使われていました。

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馬を「叩く」ということ

前回の補足です。

馬のお尻を叩いても、さほど痛くないということはすでに知られています。

でも「叩く」という所作自体が「虐待」なのではないかということも否定できません。

実際、調教途上の馬に対して「懲戒」の意味で鞭を振りかぶる仕草をすれば、馬は逃げるかスピードを早めたりするのです。そういう意味では、馬は叩かれなくても、それ以前の所作によってストレスを感じているかもしれません。

東北や北海道で

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ばんえい競走馬の「鞭打」について

ばんえい競走馬の「鞭打」について

ばんえい競馬で見られる、馬に気合を入れるための「鞭打」

迫力があってカッコイイですよね。

でも、見方を変えると、

「鞭で打たれてかわいそう」

「虐待だ」

何て声が聞かれるのも仕方ないと思っています。

果たして、あれは「痛くてたまらないから」走っているのでしょうか?

答えは「NO」です。

本当に痛かったら、馬は後ろ脚を蹴り上げて反抗するか、前脚で立ち上がろうとするはずです。

この「

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重種馬との出会い

私が初めて重種馬というものを見たのは、フランスに出かけた時に出会ったArdennais(アルドネ)種という馬でした。

ほぼ軽種馬しか知らなかった(その頃ばんえい競馬は知ってましたが北海道和種が競走しているのかと思っていたくらい無知でした)私にとって、この出会いは衝撃でした。牛かサイ(あるいはゾウ?)のような体型の動物が馬のお面をかぶっているのかと思ったくらいですから。

しかし私はArdenna

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サラブレッド

幼い頃に競馬場の傍に住んでいたことがあります。

当時はトレセンなど無かった時代で、競馬の開催が近づくと、競馬場脇の厩舎に馬が集まってくるものですから、いわゆる「馬臭い」感じがしたものです。

でも幼い私は牛豚や鶏のそれと比べて、そんなに嫌ではなかった記憶があります。

その馬たちが時折道路を横断している姿を見かけましたが、その姿は幼子にはとても大きく、まるで象のようだったことを覚えています。

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