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【コトダマ015】「仕事っていうのは、別に・・・」

仕事っていうのは、別に好きなことじゃなくたっていいんですよ。それよりも、自分に合っていることが大事。自分に合っていれば、続けて行けるんだと思うんです。

ヤマザキマリ『仕事にしばられない生き方』p.287

まあ、就労支援の現場などでは、今や「当たり前」の発想ですね。最近は高校でも(早ければ小学生ぐらいから)適性診断などをやって、「自分がどんな仕事に向いているか」を早い段階で自覚させようとするようです。

私が学生だった頃はそんなものはなく、誰かに相談しても「やりたいことを探せ」とか「好きなことを仕事に」なんて言われたものでした。今でも自己啓発本やネット上のインフルエンサーからは、そういう言葉をよく耳にします。そういうのを真に受けて迷走し、ドツボにはまっている人もたくさん見てきました。

まあ、「やりたいこと」と「自分の適性」がバッチリ合っていればベストなんでしょうが、残念ながらそこにミスマッチが生じていることも少なくありません。そういうときに「やりたいこと」に重点を置きすぎると「歌の下手なシンガー」や「教えるのが下手な教師」や「人の話を聞くのが苦手なカウンセラー」などが誕生してしまうんですよね。

そこをちゃんと「ふるい」にかけるシステムがあればいいのですが、例えば試験に受かってしまえばそのまま業務に就けるような仕組みだと、「好きだけど向いてない」人がそのまま専門職になってしまったりする。そういう点では、就労支援の現場のほうがまだしもきっちりと「適性」の把握に努めています。むしろ支援にあたっているソーシャルワーカーの「適性」のほうに問題があったりして・・・・・・う~ん、シャレになってませんね、それ。

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