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【コトダマ017】「相手に対して、あぁ分かるなぁと・・・」

相手に対して、あぁ分かるなぁと共感してしまったとき、分かっていないと思った方がいい。

高石宏輔『あなたは、なぜ、つながれないのか』p.66

はい。これは説明不要ですね。典型的な落とし穴のひとつです。

特に危ないのは、ソーシャルワーカーが「相手のことが分かってあげられてる自分」に酔っちゃってるときですね。で、クライエントをほったらかして勝手に盛り上がってしまっている。クライエントはそこに水を差したくなくて、「なんか違うんだけどな・・・・・・」と思いながら、それを口に出せないでいる。まあ、状況としては、最悪ですね。

面接はクライエントのためのものであるはずなのに、これじゃソーシャルワーカーのための、ソーシャルワーカーの自己満足に奉仕するための面接です。で、ソーシャルワーカーの「理解」に基づいてプランが組み立てられ、支援がはじまるわけですが・・・・・・

まあ、たいていは失敗しますよね。

それも、クライエントが違和感を感じつつも言い出せない状態からスタートするので、クライエントとしてはそこから脱するために、かなり「無理」をしなければならなかったりします。行方不明になってみたり、オーバードーズやリストカットをしてみたり、急に入院してみたり。そうするとソーシャルワーカーは言います。「これは困難ケースです」「あれは問題行動です」いやいや、その種を蒔いたのは、ほかならぬソーシャルワーカーなんですけどね。

そんなことになるくらいなら、ソーシャルワーカーは、クライエントなんて「何考えてるのかよくわからない」くらいがちょうどいいんじゃないでしょうか。クライエント自身が、自分のことをわかっていれば、それでいいじゃないですか。

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