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各AIアシスタントの解説書

グーグルホームとかAlexaと聞くと、スマート化した家じゃないと使いこなせない代物だと思っている人も多いかもしれません。しかしアプリ自体は無料で提供されており、家電の操作は幅広い機能のうちの一部だけで、音声交流や音楽・ニュースの再生等の主要な機能は古い家でもWi-Fiさえあれば楽しむことができます。ここでは、日本で広く普及しているSiri、グーグルアシスタント、Alexa、Clova、Cortanaの機能の違いや特徴を書いておきます。

Siri

Apple社が開発したAIアシスタントです。世界のあらゆる主要言語に対応しており、恐らく世界で最も有名なAIでしょう。Apple社の製品であるiPadiPhone等にデフォルトとして搭載されている場合が多く、Siriを搭載したスマートスピーカーとしてHomePodがあります。ただし、独自規格ゆえAndroidには対応していません。

Siriには質問の受け答え、検索の代行、ファイルの管理、予定の管理、天気、占い、音声ナビなどの機能があります。音声認識能力が非常に高いことが世界的に評価されている所以です。ちなみに音声は男声/女声のどちらも用意されています。Siriは他のAIにも嫉妬する反応も見せたり質問によっては多少の冗談も言ってくれますが、全体的に淡々とした回答が多いです。やはりiPadMacBookなどは仕事で使われることが考慮されているため、Siriはビジネスライク気味に設計されているのかもしれませんね。

関連動画:Siriは歌が苦手?


グーグルアシスタント

幅広い環境、あらゆる言語に対応している世界的なAIアシスタントで、その名の通りグーグル社が開発・提供しているサービスです。よく宣伝されているグーグルホームというのは、グーグルアシスタントを搭載したAIスピーカーを指します。グーグルアシスタント自体はAndroidiOS用のアプリとしても提供されています。

非常に多機能なAIで、会話の他に、検索の代行、音声ナビ、天気、アラーム、Youtubeの再生、最新ニュース、メモ帳の作成、携帯端末の設定、カメラを使った物体の特定、音楽の曲名の特定、スマート家電の操作などが可能です。クラウドのIFTTTを用いて他のデバイスとリンクさせるという応用技術もあります。

音声認識能力は極めて高く、音声が出せない環境でもキーボードでの交流が可能です。全てのAIに言えることですが、過去の音声記録からエンドユーザーのみに適用される機械学習があり、使用者によってAIの反応が異なる場合があります。デフォルトのグーグルアシスタントは茶目っ気があり、全体的にポジティブな回答が多い印象です。あまり辛辣な反応やネガティブな回答は基本的にしません。

Alexa

Amazon社が開発したAIアシスタントです。これを搭載したAIスピーカーとしてAmazon Echoとその亜種がありますが、Alexaという呼び名が広く定着していますね。AndroidiOS用のアプリとしても提供されています。アジアで提供されている国は今のところ日本とインドだけです。

機能としては会話の他に音楽の再生、商品購入、天気や占い、スマート家電の操作などがあります。Alexaはカスタマイズ性が高いという特徴があり、スキルを活用して機能を追加したり、トリガーとなる呼びかけとAlexaがどういう反応するかを自由にカスタマイズすることも可能です。また「ゴーゴーソング」や「テクノロジーの歌」など、中の人が歌ったオリジナルソングが収録されています。
彼女は女性の人格を持つAIとして設計されており、女声しかありません。声質からは大人でクールな感じがしますが、Siriやグーグルアシスタントに比べて音声認識能力で負けるのは御愛嬌。

Youtubeでは、こんびにこ氏とAlexaの漫才動画が話題を集めていました。


Clova

LINE株式会社が開発したAIアシスタントです。対応したAIスピーカーとして、Clova waveClova friendsがあります。

日本の会社が提供しているAIで、日本語しか対応していないという、世界的に見ればマイナーなツールです。しかし音声認識能力はSiriやAlexaにも見劣りすることはなく、機能としても会話やLineアプリの操作、ニュース、メモ帳の作成、天気、占い、スマート家電の操作などがあります。

音声は女声のみ。Clovaは教育用ツールとして使われることも考慮して設計されているため、子供に言い聞かせるような声でしゃべります。

Cortana

マイクロソフト社が開発したAIアシスタントです。同社が過去にリリースしたPCゲームに登場するキャラクターを元に開発されたという経緯があります。本来はパソコン用のアプリですがAndroidiOSにも対応しています。

Cortanaがあまり話題にならないのは上記のAIに比べて機能的にやや見劣りすることや動作環境が関係しています。もちろん他のAIと同じく検索機能は付いていますが、その際に使用するブラウザがマイクロソフト社が提供するMicrosoft Edge(しかも検索エンジンはBing)で、これが敬遠されがちな上、音声認識能力も高いとは言えず、使用者が発した言葉をそのまま検索ボックスに入れた結果を表示するというリアクションも多いです。つまりCortanaが言葉を紡いで音声で回答しないというパターンが多く、それゆえ巷では「シャイガール」って呼ばれているそうです。

ただ彼女が他のAIに比べて勝っているのはその自然なしゃべり方です。最初はぎこちない話し方ですが、学習により非常に自然なものへと変化していきます。

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