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コインの表が出たら「やる」

全くやる気が出ない・・・ というよりも考えすぎて動けない……

年末年始休暇に突入。と言いつつも、気楽になれた訳ではなく、数ヶ月放置していたプライベートでの案件にようやく取り組もうとしようとしてまだ悩んでいる。考えてばかりいて、動けない……。

では、どうしようか……。最近、図書館から借りてきた本をふと見つけて、現実逃避をまたもすることにしてしまう。パラパラと目次をめくる。

Chapter2 その07 「やる」か「やらない」かの決断は、コインで決めても一緒

そうか、そうか。では、気乗りしない例の案件について、コインを投げてみよう。
小銭入れから100円玉を取り出した。
表が出たら「やる」。裏が出たら「やらない」。

桜の花の図柄が表ですね!それでは、コイントス!

表が出た……。

いやだ……。やりたくない。

机の上に百円玉を置き、しばらく眺める。

「うぅ〜、いやだ。やりたくない」

でも、表が出た……………………..。

わかったよ。ちょっとだけでもやるよ。とほほ。

気分は、後傾姿勢。でも、何だか不思議と手は動く。

スキーやスケートのコツは、怖がらずに前傾姿勢で前のめりに倒れる気持ちで重心を前向きにすること。
が、今回は思いっきり後傾全開である…………。ウググッ。

提出すべき書類は5種類。そのうち2種類はすでに着手してあったけれど、残る3種類のうちの2点目。この書類のフォーマットは4ページある。重いよ……。面倒くさいこと、この上ない。そういえば知人で、以前にこの書類を作成した人がいたけど、その人もまた何だかボヤいていたっけ。

気持ちは、ホントに後ずさりしながらであるけども、書類をつくるパソコン画面を眺めながら、ボォ〜っとツブやく。そのツブやきを聴いているのか、ボクの両手がカタカタとキーボードを叩いてくれている。

気がつくと、20分ほど時間は過ぎていた。しばし手を止めて、書斎を出て、階下へ行き、コーヒーでしばしのブレイクタイム。

頭の中には、書類の文章の続きの言葉がぼんやりと浮かんでいる。気持ちは依然、イヤイヤモード全開である。しかしだ……。どうやら手と指はまるで自動書記みたいにキーボードを叩いてくれる。ありがたい。

気がつくと小一時間が過ぎていた。

なんだかんだとイヤイヤながら、気がつくと、2つ目の書類の1枚目と4枚目の文章は空白を埋まっていた。2枚目と3枚目は、お金の精算に関わる内容のため、次のステップでやることになる。

『なるほどぉ。たしかに、「やる」か「やらない」かの決断は、コインで決めても良いらしい』

今日はもう打ち止めだ。いいだろう。よくやったよ。

あっ、そう言えば、洗濯をしてなかったっけ。
そう気がついて、溜まっていた洗濯物の山の半分を洗濯機の中にボクは放りこんだ。あとはボタンを押せば、洗濯機が汚れものをきれいにしてくれる。

さて、明日もこの気乗りのしない書類作成をしなくてはいけない状況には変わりはない。これは確実な事実。ただ何だか面白そうだなという気持ちが、心の片隅に湧いてきているのが興味深い。

よし、ドキドキしながら明日もコイントスをしてみよう。

やりたくないから、本当はコインの裏が出て欲しいのが本音ではある。だけれど、もしコインの裏が出てしまったら気の重たい資料の完成は、またもゴールが遠のいてしまう訳で、それはそれで更に気が重くなるような気がする。

そんなことを想像すると、やはり明日も100円玉を投げてみて、表が出てくれた方が良いのかもしれない。とちょっぴり願っているボクの心に気がつく。実に妙なものだ。

これはきっと、「他者に委ねる(ゆだねる)」という行為が執着を手放すことにもつながっているのかもしれない。頭の中でグルグルと「やらなきゃ、やらなきゃ」と呪文の様に堂々巡りを繰り返しているぐらいなら、やはりいっそ自分の元から思いっきり判断や問題そのものを一旦手放しをしてしまった方が良いのかもしれない。

よし、まぁ、そういうことで明日も嫌々モード全開で、100円玉でコイントスをしてみるかなぁ。

(つづく)


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