見出し画像

追い詰められていた私への、助産師の忘れられないひとこと

こんにちは、ハチノです。

先日voicyを聞き返していて、碓氷さんが「子どもの目がキラキラしてる方を正解と思おう」とお話しされているのを聞いていて、娘が赤ちゃんだった時のことを思い出したので、今日は育児の思い出話を書いていこうと思います。



おっぱい問題に悩んだ育児初期

産後の悩みは人それぞれだと思いますが、私の場合一番深みにハマったことがミルク問題でした。

私は地方のとある産院で出産しました。

ようやく娘が産まれてくれたあと、次の日から母乳指導が始まりました。
ここで言われた「産前にマッサージはしてましたか?」に私はびっくり。
そんなことしてません。
え、しなきゃいけなかったの??

母乳に関わることへのケアにどれだけ関わろうとしてくれるかは、入院する病院によってかなり度合いが違うと思います。

私の入院した病院は、母乳を与えることを促しつつ、はじめから粉ミルクも少しずつ与えるような指導をしてくれる、スパルタな感じの全くない産院でした。
(余談ですがこのレベル感覚が母親と病院でマッチングしていないと母親がかなりの確率で病むことが後になって分かりました。産前にそのあたりを調べるのは地方だと情報がないし、そもそも選択肢が少ないし、難しいです。)

退院して実家に身を寄せていた時に、今度は自分の母親からの「え?ミルクあげてるの?」という一言にびっくり。

私「だって病院からミルクあげるように言われたし」
母「そうなんだ…母乳だけでもいいんじゃない?経済的だし」

私は結婚し子どもを産んで環境が変わったことで、お金に関しての不安が膨らんで、むやみやたらと節約してしまう不安定な時期がありました。(そういう人多いと思います)

母から「母乳なら経済的だし」という一言があったことによって、特に完全母乳にこだわっていたわけでもないのに「そっか、出るならミルクより母乳の方がいいよね」という気持ちに傾いたのです。

母に完母信仰とか悪気があったわけではありません。
会話の流れで自分の経験を話しただけだと思います。

しかし、ホルモンバランスを崩し寝不足も重なっていた私はなぜかここで「ミルクには頼らない方がいい」という方向に進むことに。
ホルモン怖い。
今振り返るとこれが自分を苦しめることになったと思います。

少ないのか?足りているのか?それが問題だ

私はおそらく母乳の出が悪い方だったのだと思います。
というより、母乳の出なんて人と比べるものでもないし、自分の母乳量がいいのか悪いのかわからない。
それを判断するのは子どもだけです。

ただ、娘は起きている時はほぼずっと機嫌が悪くその度に授乳をしていました。というか、せざるを得ませんでした。

こんなに頻回授乳でいいのか悩む日々。

調べると、「どんどん吸わせることで母乳が出やすくなるからとにかく飲ませること」というような情報もあれば、「赤ちゃんは精神的に安心したいだけでも授乳を求めるので時間を守るように」とかいう全く逆の情報も出てきてますます分からない。

誰かに相談したいけど、すでに実家を離れ、産院は物理的にも気持ち的にも距離が離れてしまっていました。
こんなこと夫に相談しても、夫だって分かるわけがありません。
結局自分で考えて判断するしかないのです。

1ヶ月検診はギリギリ基準の体重をクリアしたけど、3ヶ月検診は体重がそこまで増えていませんでした。

「娘にちゃんと母乳を飲ませてあげられていないんだ」とますます不安が募ります。
「産前から母乳マッサージしなかったからかもしれない…」と後悔もしました。(気にしすぎだと言ってやりたい)

担当の保健師さんに「体重計のレンタルも考えてみたら?」と言われ、また悶々とします。

体重計っているの?
そういうグッズやサービスがあるのは雑誌などで知っていましたが、そこまで必要なものだとはどうしても思えなかった。
娘は機嫌が悪い時間は多いけど、赤ちゃんってそういうものじゃないの??
それにレンタルしたからって体重が増えるわけではないよね???

そんな中、当時予防接種を受けていた小児科の先生が「体重が心配だったら散歩がてらちょくちょく体重測りにきていいよ」と言ってくれました。

今思うとありがたい話だったと思います。(外出し、日中大人と会話する口実があるだけで救われるメンタルでした)
しかし今度は数字にとらわれていきます。


母乳の出を良くする術を探し、迷走する私

自分の母乳が娘にとって適正量与えられているのか、娘がちゃんと飲めてるのか判断するポイントは「体重が増えているかどうか」だけです。

週一の散歩がてらの体重測定で、増減に一喜一憂する日々が始まりました。(というか常に憂の方)

それでも母乳にこだわる私。
どうにかして母乳の量を増やしたい。
母乳が出やすいと言われる食材とレシピを調べて作ってみたりマッサージをしてみたり。

ある日地域の保健所で母乳教室が行われることを知りました。
荷物と娘を抱え、バスに乗って保健所まで出かけます。
そこでは助産師さんが母乳と赤ちゃんの状態をヒアリングしたり、様子を見てくれました。

保育士さんが娘を見てくれている間に私が産後4ヶ月どんなことを悩んでいたかをつらつら話し、とにかく母乳量を増やしたい、増やすにはどうしたらいいのか、何か方法はあるのかと質問しました。

しかしその問いに的を得たことは答えてもらえませんでした。


助産師の意外なひとこと


「娘ちゃんは幸せそうな顔してるから大丈夫」

代わりにそう言って、その助産師さんはニコニコしていました。


えぇぇーー……??

帰りのバスの中で、解決しなかったモヤモヤとした気持ちと一緒に、「娘が幸せそうな顔している」と言ってもらえたことが刺さってずっと思い返していました。

結局、荷物と娘を抱えてバスに乗って、まあまあ大変な思いをしてまでここへやってきたけど、私の欲しかった解決策は見つからない。

でも娘の顔を改めて見ていると
肌はピカピカしているし
ほっぺはふくふくしているし
こちらが笑えば反応もする。

そうか、客観的に見ても娘は幸せそうなのか。

その時、私が体重計のレンタルを勧められた時に感じた違和感はこれだったと気が付きました。

目の前の娘は不機嫌ながらも結構元気そうだ。
少なくとも私には元気そうに見える。
機嫌がいい時にはニコニコしているし、小さいと言われつつも大きくなっている。

必死になって数字を追いかけていたけど、何も解決はしてないけど、なんか大丈夫らしい。


そのすぐ後から、私は母乳の後にミルクも与えることにしました。
言ってしまえば自分の乳腺に見切りをつけたのです。
出んもんは出ん。

でも母乳にこだわるよりも娘の満足と成長が大事。
今考えたら当たり前なのに。

ミルクを与えたら楽になりました。
娘がどれぐらい飲んでいるかよくわかったからです。

もしも母乳が足りなかったのだとしてもミルクが助けてくれる。
そう思えたら気持ちが随分と楽になりました。

娘も起きている間に機嫌のいい時間が増えたように思います。
なんだ、もしかして今までお腹空いてたの?
ごめんね、気づいてあげられなくて…

(成長とともに変化したのかもしれませんが、それは分かりません。
分からないことを悩んでも仕方がないのです。)

正直今も子育てはわからないことだらけだけど「娘が幸せそうな顔をしているかどうか」は私の中である意味指標になっています。

助産師のアドバイスとしては捉え方次第で無責任と思われる人もいるかもしれないけど、私にとってはあの一言は力が抜けた大事な言葉だと思っています。




別のvoicyで、Emiさんが話されていたことにもとても共感したのでリンクを貼っておきます。

最後までお読みくださりありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?