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#譲れない住まいの条件 今の家族に必要なこと

こんにちは、ハチノです。

Voicyのハッシュタグ企画で
#譲れない住まいの条件  というものがありましたので私も考えてみました。

前提として、私は地方都市の中心地からそれほど遠くない賃貸マンションに、私と夫と小学生の娘と3人で住んでいます。
子どもが小学生になる前に今の住まいに引っ越してきました。

その時に譲れない条件としていたことが、2つあります。

一つは「家が原因で家族が喧嘩しないこと」

もう一つは「この家のここが好き!と思えるところがある」です。

家が原因で家族が喧嘩しないこと


「家のために家族が喧嘩しないこと」。

抽象的ですが条件を確認する時に必ず立ち返っりました。

「新しい家でこんなことがしたい」というポジティブな気持ちではなく、どちらかというと家族の喧嘩の原因をいかに作らないか、どうしたら家が要因の負担を家族のメンバーにかけずにすむかを大事にしていました。

ネガティヴかもしれませんが負担がかかるとどうしても周り=家族にぶつけたくなるものなので、今の家を選ぶときはここを徹底的に考えました。

なんのために家を選ぶかというと、家族が楽しくいられるためですからね。

私たちにとっての「家が原因の家族の負担」って何?

では家族への負担は何かというと、一つはメンテナンスです。
家を持てばいつかはメンテナンスが必要になります。

これは日々の掃除などのメンテナンスだけでなく、リフォームや設備機器の取り替えも指します。
いざというときには商品の選定、業者の手配や立ち会いなど、結構手間と時間がかかります。
そこと比較すると賃貸の場合は何かあればまずは管理会社に言えば良いので、あれこれ検討をしなくても良いのです。

私も夫も住宅や建築が好きですが、夫が今は私と同じ気持ちで家に手をかけられるタイミングではない。
そうなると一緒に家に手をかけることができない。
お互い面倒ごとのぶつけ合いで喧嘩の原因になるのでは?と感じていました。

いつかその手間を理解しても飲み込んで、むしろ手をかけた分だけ愛せると思える家を持つ機会があるかもしれない。

その時に家は持てばいい。
家にかけなかった手間と時間は、その分子どもにかけてあげよう。

そのために働きやすくて子育てしやすいと思える土地、建物に住むことを選んでいます。


もう一つの負担は何かというと、遠くない将来の自分たちの環境を固定化してしまうことです。
賃貸派によく言われることですが、もしも家族にピンチが起きた時には環境を変えやすくしておきたかったということです。

子どもが保育園時代は行き渋り気味だったこともあり、就学に若干の不安がありました。
もしも小学校に通ってみて、ものすごく娘に合わないと思ったら、次の打つ手を考えるときに住まいが枷になってしまうことは避けたかったのです。

幸い娘は今学校に通えているので杞憂となったのですが、今後どんな理由でも学校を変わった方が本人のために良いのでは?と思うようなことがあった場合に柔軟に動けるんだという心の余裕が、今の家族には必要だと思っています。

私自身考え方が変わったこともあります。
夫婦で住む家の条件や理想を話した時に、夫から出てきた理想の家の具体的な条件に「自転車で通勤したい」というものがありました。

たしかに、夫が仕事で帰りがすごく遅くなってもかならず帰ってこられること、環境的に出社もしないとやりにくいことを考えたり、子どもの日中の居場所と夫婦2人の職場の距離を縮めることで、熱発や災害などの緊急時の対応がしやすいことを考えたりすると、それもすごく良いです。
通勤時間が短いことで、家でできることも増えるでしょう。
基本的には学校よりも家が好きな娘のために、早く学童にお迎えに行ってあげることもできます。
しかしそうなると二人の勤務地に近い都市部に暮らす必要があります。

私も夫も実家は1戸建の住宅で、なんとなく自分が家を持つなら郊外に一戸建てを買うのだろうなと思っていたため、最初はファミリー世帯の家を、自分たちが育った環境から比較すればけっこうな都市部で探そうとしていることに正直これは経済的に厳しいぞ…!!とびっくりして腰抜かしました。

ここは価値観の違いだったと思います。
夫の理想を考えてみれば、それは私の暮らしにとってもメリットが大きいことに気づいたのでした。

私の考えも短期間に変化したため、住まいにも柔軟さはあった方がいいと判断しました。

建築や住居について学び、家づくりの仕事を長くやってきた私にとっては家はずっと「いつか理想を形にして作り、自分で所持するもの」という感覚がありました。

多分これは仕事をしていたからということもありますが、その形にした理想を維持するためには裂かなければいけないさまざまなコストも見えていて、そこと家族仲を育むことを天秤にかけた時に、今は持つ時期ではないと判断したわけです。

そのほかにも寒い、暑い、防犯面、防災面で不安を感じていると、どうしても家族で話し合うトピックスが増えすぎて意見が合わないことも増えていきます。
それを受容できる関係を作ることも大事だけど、それは一気に作り上げて解決できることではなく、少しずつ積み上げるのが私たち家族に合う方法だと思ったのです。

速い話が全部のリスクを吹っ飛ばす財力が私には無い!ということもあります。

この家のここが好き!と思えるところがある

もう一つの条件は、家に対して「ここがこの家のすごく良いところなんだよ!」と思えるところがあることです。

それはなんでも良くて、たとえば「マンションの共用部の手すりの形が好き」とか
「ベランダが気持ちいい」とか
「キッチンから見える風景が好き」とか
なんでもいいです。
100点の家はないので、ピンとくるポイントがあると一気に愛着が湧きます。

以前住んでいたマンションはたまたまルーフバルコニーがあって、小さかった娘をちょっと外に出して遊ばせたり、私が縄跳びをしたりするのにちょうどよかったです。
ただし脱衣室のドアがなく、最初に借りるときは少し躊躇ったのですが、クセがあってかわいい住まいだったな〜と今も思っています。

今の家の好きなところは、和室の中に腰掛けられる出窓があることです。
そこに座って本を読むのが好きです。
(北側なので冬は寒い)

自分を置く空間の中で好きだなと思えるポイントがあれば、ふとしたときに豊かだなーと思えるようになります。

いつか奈緒さんのように、好きな土地で、手のかかるメンテナンスもいとわないような味わいの感じられる建物で暮らすという生活に憧れます。
でも寒いのがほんっとうに苦手なので、一生無理かもしれません 笑

終わりに

「家づくりの仕事をしているのに賃貸派なのかよ」というご意見があるかもしれません。

私も「賃貸に暮らした方が今の自分には合っているし幸せだ」と思った時に、現時点でこの結論に至った私が住宅のことを語って、人に勧める資格があるのかという葛藤がありました。

それでも、それぞれの事情や結論から、家を持つことを決めた方には全力で応援したいと思っています。
家を持つことの大変な一面、その現実も知っているからこそ、そこを少しでも軽くできる考え方や手段は、仕事をする上で少しでも伝えていきたいと思っています。

これからも時々家や住まい方についての投稿をしていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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